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超短編小説  108物語集(継続中)

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 その日も毎日のパターン通りに、幸介は最寄り駅へと。しかし幸介は感じた、様子が普段とちょっと違うと。
 そして、その勘は当たった。改札を通り、混雑したホームへと降りて行くと、乗車口に並んでるはずのサラリーマンたちが、みんな倒れているではないか。

 えっ、これって……、テロ?
 この光景を目の当たりにした幸介、血の気がさあっと引いて行くのがわかる。それでも気を落ち着かせ、一番近くにいる男性に駆け寄り、大丈夫ですか? と声を掛けてみる。

 しかし、返事がない。さらに奥へと目をやると、朝っぱらからだが、艶めかしく足をほっぽり出して横になってる女性がいる。すぐに走り寄り、「どうされましたか?」と揺すってみる。 ムニャムニャムニャと何かを呟き、それから横を向いて、スースーと。その横顔に泣きぼくろ、うーん、ちょっと可愛いかな。

 されども大事件。不純な雑念を追っ払い、失礼しますと一礼し、そっと女の手を握ってみる。意外に温かい。ならばということで、手首に指先をあててみると、ト−ン、トーン、トーン。規則正しい脈を打っているではないか。