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超短編小説  108物語集(継続中)

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「京都が大変よ」
 悠太と雑談中、ミッキッコが息を切らせて走ってきました。それを追い掛け、佳那瑠が美人顔を殺人鬼の形相に変え、「大きな鳥が人肉を食い漁ってるわ。退治しましょ」と。佳那瑠にほの字の悠太はポーと赤面し、頷くだけです。私は「返り血を浴びるぞ」と一旦提案を退けました。しかしミッキッコに「弱虫ね」と馬鹿にされ、「今夜8時に、秘密基地で」と一応リーダーとして集合を掛けました。

 基地は京都の町屋の100m地下にあります。そこへ行く方法は、佳那瑠がドア名人でして、東京の自宅の壁に扉をペタリと貼り付けてくれました。それを開けると、直に宇宙最新鋭の高速コンピューターが稼働する地下空間へと移動できるのです。

 私たちは時間通り集合し、宇宙検索エンジン・四神王などを駆使し、本事件を調べ上げました。
 それは東山に青い月がポカリと浮かんだ夜から始まりました。鴨川沿いにカップルが等間隔に座り、愛を育んでいる時です。月が一瞬曇り、夜空からヒューと。

 その舞い降りたものは以津真天(いつまで)。翼長5mの怪鳥で顔は人間、だがワニの歯を持ち、蛇の胴体に剣の爪を持ってます。それらで人に襲い掛かり、肉を引き裂き、思う存分啄みました。まさに地獄絵図。しかし笑える点は、死体を盗られるのが心配で、いつまで、いつまでと甲高く鳴くのです。