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超短編小説  108物語集(継続中)

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「こんにちは、お嬢ちゃんをお連れしました」
 神社の裏にある広い屋敷の玄関で、私は呼び掛けました。すると奥の方から、きっとこの子の母と思われる女性が現れ、目を吊り上げて、「あなた、どこをうろついてたのよ」とお怒りの御様子。それにしても、これって、誰に対して? 横を見ると、少女はすでに消えていて、さらに女は「祈願札が溜まってるわよ。早く神さんの所へ行って、承諾印もらって、福を持って帰って来てちょうだい。あなた、しっかり働いてよね」ともう訳がわかりません。

 しかし、この女性の言動からして、俺って……、この女のハズバンド?
 ならば、こんな行き掛かり上で、妻を娶ることもありか?
 案外この女は俺のタイプ!
 こんな思考の果てに、私は夫としてここに棲み付いてしまいました。