超短編小説 108物語集(継続中)
この一連の変態、とにかく大仕事だ。そのご褒美にと、神は瑠璃星の輝きを紋として与え、実に麗しい姿へと変身する。
されども、トンボに変身後、残された寿命はたったの4ヶ月。秋には死が待ってる。のんびりやって行こうなんて、そんな気楽なものではない。
とにかく死は間近。だが、腹はやっぱり減る。そのため水辺を何回も行き来し、ガやアブを狩らねばならない。まことに忙しい日々なのだ。
夏が終わる頃にはさらに多忙となる。5年数か月の生涯の終わりに、種の存続ため結婚しなければならない。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊