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超短編小説  108物語集(継続中)

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 まずお金を払い、自分が好む4桁の数字を申し出る。すると巫女がパソコン内に保存されてある神のお告げを、当然誰にもわからないことになっているのだが、それをアウトプットし、墨書きしてくれる。そんな仕組みなのだ。

「1151番をください」
 女はやや俯き加減に告げた。これに巫女がクスンと笑った、いや笑わなかった、実に微妙なところだ。なぜなら、「1151は、いい恋」と見え見えだし、たった千円で恋の指南をしてもらおうって、ちょっとね。
 こんなことを勘ぐった巫女、されどもプロ、「神さまからのお告げを、どうぞ」とシラッと言い、折りたたまれた白い紙を手渡した。
 女はそれを握りしめ、そそくさと境内の隅へと。そしておもむろに開ける。

「えっ、これ何よ!」
 女はどうもムカッときたようだ。
 つまり、そこに書かれてあったお告げは──『猫』

「今年の干支は馬よ、それがなんで……『猫』なのよ!」
 馬なら、白馬に乗った王子様、恋のイメージはできる。だが『猫』では、どこからも恋へと繋がらない。女は不満で、お屠蘇をたくさん頂いて、帰って行ったのだった。

 そして春になった。
 女は元々猫嫌い、それでも何かご利益があるかもと、未練を払拭し切れず、猫を飼い始めた。

 しかしこの猫、飼い主に似てるのか、小生意気なメスなのだ。まるで前世の自分のようで、気に食わない。そのせいか世話もせず、放ったらかしにしている。
 それでも「猫の居るのは屋根の上」と格言通り、いつも屋根の上で自由を満喫している。