超短編小説 108物語集(継続中)
「おい、収録は成功したぞ!」
この呼び掛けに目覚めた榊原、「夢の世界の俺って、どんなヤツかなあ?」と意外に浮き浮きしている。単純なヤッチャ。
「さっ、再生するぞ」と、高見沢はプレーヤーにDVDを差し込んだ。すると、いきなりこの神聖なるオフィスシーンが表れた。そして、榊原の夢が映し出されたのだ。
榊原の夢の世界
「高見沢君、君の現実ワールドを収録することにしよう」
「榊原部長、許してくださいよ。そんな危ない映像、You Tubeにでも流れたら……、夏子に離婚されますよ」
そこへ突然オフィスのマドンナ・可奈子が現れ、黒縁めがねを摘まみながら榊原に耳打ちする。
「部長、最近、この高見沢のオッサン迫ってくるのですよ。セクハラ疑惑で首にしてください」
「ああ、そうしよう。可奈子秘書」
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊