超短編小説 108物語集(継続中)
そんなアイサが所属していたヤンレ18、それは伝説的なアイドル集団であると同時に、結成されてから二十年、その人気は引き継がれ、現在においても陰りがない。
なぜ連綿と、長年人気を維持できてきたのだろうか?
いくつかの説がある。一般的な解釈は、時代時代にマッチしたパフォーマンスがプロデュースされてきたためだと。
だが他に、古参のアイドルをタイミング良く切り、どんどんと新人へ入れ替えてきたからだとも言われてる。
その中でも、一大事はやはりトップアイドルの交替だ。つまりトップの退団時期を判断し、宣告し、実行することとなる。
こんな非情な仕事を、黒崎半蔵は請け負い、時には強引に、また冷酷に断行してきた。
そのためか、『首切り半蔵』とあだ名され、恐れられてきた。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊