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超短編小説  108物語集(継続中)

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 悪代官から発せられた、この『らしくない言葉』に、洋一は腰が抜けそうに。
 されど、確かに企業の栄枯盛衰は人であり、組織だ。しかし、この営業部は少し違うようだ。

 構成員は──悪代官に茶坊主、そして七色トカゲにイッチョカミ、さらに狼少年にマッチポンプ女、とどめは銭なし平次だ。
 なんだよ、こいつら! と叫びたくなる、ヒデェー連中だ。
 されども信じ難いことだが、日常業務は案外スムーズにこなされ、結果的に売り上げも伸びている。
 なぜ? 洋一は不思議で首を傾げるが、正直よくわからない。

 そんな時に、部長から声が掛かる。
「おい、『俺が俺がの自己中男』、今夜の祝賀会、参加するんだろうな?」
 洋一はこんな呼びかけに、俺が俺がの自己中男って、俺もヒデェー連中の一員かよ、とムカッとくる。
 ならば居直って、「今夜は私に任せてください。イタリアンでいきましょう」と、部長のご贔屓の極貧居酒屋を無視した。これに悪代官は「洋一は、俺の小ざかしい宿敵だよ」と吐露してしまった。