超短編小説 108物語集(継続中)
その瞬間だった、洋一がこの営業部の構造にハタと気付くのは。
天からそれぞれにライバルがあてがわれ、そこでは宿敵の連鎖サークルが成り立っているのだと。
悪代官 ←→ 俺が俺がの自己中男 ←→ 茶坊主 ←→ 七色トカゲ
↑↓ ↓↑
マッチポンプ女と銭なし平次 ←→ 狼少年 ←→ イッチョカミ
微妙なバランスで保たれた宿敵の連鎖サークル、これは悪魔のお遊びか?
しかれども、結果は売り上げ増を生み出している。「なるほどなあ」と洋一は一人頷いた。
何がなるほどなのか分からないが、その後、洋一は悪代官をギュッと睨み付け、「いつかきっと、この宿敵の連鎖サークルをぶっ壊してやる」と決意し、業務に戻って行くのだった。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊