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超短編小説  108物語集(継続中)

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 キャプテンも同様、こんなフラッシュ現象を目撃するのは初めてだった。
「うーん、わからないなあ。ならば解明で、生物たちの会話をいくつかサンプリングせよ」
 キャプテンが指示を飛ばした。
 しばらくして、フォーカスされた群れの字幕付き会話映像がスクリーンに映し出された。

 会話: 群れAの場合
  メス : パパ、子供たちはテレビの方が良いんだって。暑いし、蚊はいてるし……。
  オス : ああ、家でビール飲みたいなあ。さっさと帰ろう。

 会話: 群れBの場合
  メス : これって、帰りの電車、メッチャ混むわよ。どうしてくれるのよ、アンタ。
  オス : そうだな、さっさと帰ることにしよう。

 これらを目にしたラキアー、思考が余計に混乱する。
「キャプテン、ヤツらって不思議な生物ですよね。わざわざ指定された場所に出掛けて来て、空に飛び散る火花を眺め、帰ることばっかり考えてますよ」
「その通りだ!」
 キャプテンの返事はこのひと言だけだった。理由は、この生物に論理的な振る舞いが見出せず、理解不能だったからだ。

 キャプテンはしばらく沈思黙考。その後にラキアーの肩に手をやり、ちょっと申し訳なさそうな表情になり、
「なあ、ラキアー君、よく聞いてくれよ、いいかい。本日ただ今より、このチキューという星に滞在し、このミステリーの調査を続行したまえ」

ラキアーにとって、これは青天の霹靂。
「キャプテン、それって転勤命令ですか? 嘘でしょ?」
「嘘じゃない。これは業務命令じゃ!」
 ラキアーはこの命に叫んでしまう。
「イヤダー!」