超短編小説 108物語集(継続中)
「さっ、ここが俺の家だよ、遠慮なく入ってくれ」
C星一郎さんが高見沢を暖かく招き入れてくれた。しかれども、そこにいたのだ、高見沢の連れ合いが。
「おい、夏子、ここで何してんだよ」
こんな失礼な問い詰めに、女性は「ほほほ」と上品に笑うだけ。
「おいおい、地球の一郎、その奥方は……俺のカミさんだよ」
C星一郎さんからこんな横槍が入った。これでやっと高見沢は、そのご婦人がC星の夏子さんだと理解できた。
その後、高見沢は高級調度品が並ぶ洋室で、手作りのフランス料理をご馳走になった。また高級外車で観光へと連れて行ってもらった。まさに「アナザー・ミ−、遠方より来たる。また楽しからずや」であり、高見沢は大歓待を受けた。
そして暇を乞うた。
作品名:超短編小説 108物語集(継続中) 作家名:鮎風 遊