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超短編小説  108物語集(継続中)

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「それにしても、C星の一郎さんは金持ちだし、奥さんのC星夏子さんはいつも夫を敬い、お淑やかな御婦人だったよなあ。地球の俺たち夫婦とはぜんぜんチャウで、なんでだよ!」

 地球とC星は互いを映し合ったミラー星、つまり何もかもが同じ星、のはずだった。
 ところがどっこい、その実態は……どうもC星の方が幸せそう。

 高見沢は羨ましくもあり不満でもある。そんなちょっと複雑な感情を抱きながら、時空トンネルを通って単身赴任の安アパートへと戻ってきた。

「ふー、ちょっと疲れたなあ」
 高見沢はため息を吐き、ソファにどっかと座る。目の前に家族の写真とカエルの置物がある。いつぞや夏子が「あなた、ここへ必ずカエルのよ」と言って飾ったものだ。

 高見沢はそれをまじまじと眺める。そして手にしていた冷えた缶ビールをシュパッと開け、後はゴクゴクと一気に。
 美味い!

 そして、現代サラリーマンの雄叫びを、一発。
「しあわせー!」