日常の非日常
酒の席で
生まれてこの方、会社という社会に所属したことがなかったので、社会人としての経験値は0である。3年前に、初めて就職した会社で、あらゆることが新鮮で、だから、そんなことになるとは知らなかった。
そもそも、酒の席での話は、主に他言無用で、ましてや、上司や会社の悪口は、スルーが常識だと思い込んでいた。
ある日、呼び出されて言われた。
「君、競合他社に移籍するんだって? 解雇な」
………………………………はい?
そんなわけで、現在、無職である。
しかも、分け隔てなく、所かまわず、誰某かまわず、誘いまくっていたそうだ。
…………………………………………………え?
会社、怖い。
世間は世知辛い。
坊主憎けりゃ、袈裟まで憎いとは言うけど、それを地で行く人が、実際、存在するなんて、な。世の中、ナメテタワ。
どうも、私は、寄ると触ると特定の「奴」の悪口を言いふらしていたそうで、延々、一日でも飽きずにぐちぐちと言い続けていたそうだ。
うわー。
嫌な奴。あたし。
でも、あたしなら、誰かの悪口いうなら、春画の話をしていたほうが、よっぽど楽しい。ラノベ的BLの話でもいいな。
生産性のないことに時間を費やすぐらいなら、紅絹さん、スケベ―>< と言われたほうがよっぽど楽しい。
ってことがあった。