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リーンカーネーション・サーガ

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そこで、足元の小石に「動け」と念じた途端、小石は「フシュン」と音を立てて、横にすっ飛んだ!
こ・・これは・・魔法というか・・超能力!念動力!のようだ!
つづいて、さっきの小石の近くにあった小石にも今度は、「浮け!」と念じてみた。
すると小石は自分の目の前まで浮いた!
これはすごい!
今まで、気が付かなかったのが勿体無いと瞬間的に感じた。
次に足元の花を持ち上げようと思い念じてみた。
しかし花はびくともしなかった。
あれほど、小石だと簡単に動いたのにどうして・・・
僕は、もしかしてと思い、今度は、花の周りの土ごと浮かぶイメージをした。
すると今度は、半円に切り取られた形で、土は花ごと持ち上がり、眼前まで浮いた!
「これは・・・無機物は動かす事が出来て、有機物というか生き物は動かす事が出来ないということか・・・
そういえば、昨日の刺客は黒ずくめで黒手袋をしていた・・・
ということは、刺客を止めたのではなく「刺客の着ていた服」を止めたということか?
そして、魔法力を失っていた短剣は僕がとっさに念じた「来るな消えろ!」といった思いで弾けて消えたのか?
もし、相手が素手なら少なくとも指は動いただろうな・・・
また、相手が全身黒ずくめの長そででなかったら、短剣は消し飛ばせても、半径80cm程度の範囲の空間では、動きを止められなかったかもしれない・・・」
と、一人言を言ってみて、背筋が寒くなるのを感じた。
そう考えると、親指の関節を決めているとはいえ、あの体格差を壁まで投げ飛ばせたのもこの力によるものか?
と考えた。
この検証を通して、僕は、この白いオーラ内に魔法力は持ち込めず、無機物ならば自在に操れることが分かった。
「支配空間(Rule space)」・・・
そこまで考えた時、突然、疲労感が襲ってきた。
自分がこの空間を維持できるのは今の所、せいぜい15分程度だったのだ。
それを過ぎると、たっていられないほどの疲労感を感じてしまう。
「これは、訓練しないといけないな・・・」
と一人呟き、この事は、しばらく黙っていようと心に決めた。

[マルケル]

私「リオン・ウィード・ヴォルター」は、摂政の執務室に向っていた。
昨夜、リーン王子殿下が、襲われた事を伝えるためだ。
昨夜の事を頭の中で振り返る。
昨夜、メアリ宮から風雷騎士団の宿舎にメアリ宮の執事から風魔法の遠隔通話で
賊が侵入し、リーン王子殿下が襲われたとの火急の連絡を受けた。
その時は、夜もすっかりふけていた。
早急に自分の部隊(自分も含めて16人)の小隊で、メアリ宮に駆け付けた。
「リーン殿下、メアリ様ご無事ですか!?」
メアリ様がリーン殿下を抱えていたが、怪我らしい怪我はないようだった。
殿下は、気を失っているようだった。
メイドにそっと寝かせてさしあげるよう指示した後、取りあえず、自分の部隊の従士8人を付近の捜索
当て、自分も含めた、8人で屋敷の警備をする事にした。
自分と副官は、屋敷の中、他の6名を屋敷の外の警備に回した。
結局、暗殺者は発見できず、5名毎に交代で屋敷の警備にあたることにした。

このメアリ宮は、ペンドラゴン城の城壁内にある。
他の離宮は王宮(ペンドラゴン城)の外にあるがメアリ宮だけは、メアリ様が輿入れが決まった際、
特別に城内にエリック王が立てたものだ。
それ程、王はメアリ王妃の事を気に入っている証拠だと噂されている。

そんなメアリ宮は、城の城壁内という事もあり、城事体が警備対象で、各騎士団が交代で警備しているので、
まさか、城内に賊がいるとは思ってもいなかった。

だが・・最近の情勢からそういうこともあると思わずにはいられなかった。
ここ、数カ月、エリック陛下は、体調を崩され、臥せっているからだ。

しかも回復の傾向が一向に見られない。
メアリ様も毎日、私が、リーン王子を見ている時、陛下の元へ見舞にいっている。
これは、メアリ様自信の意志でもあるが、陛下のたっての希望でもある。
リーン王子にはお会いになろうとはしないが・・・

摂政の執務室の前まで、行くと警備の者に面会したい旨を伝える。
しばらくすると、入室の許可がでた。
私は、扉をノックし、入室した。
「マルケル様、本日は、火急にお伝えしたい事があり、
予定を入れず、お伺いいたしました。」
そういうと、マルケルは、ゆっくり振り返った。
「リオンよ、大体の見当は付いている。
メアリ宮に忍び込んだ賊の事であろう?」
私は驚いた、リーン殿下の身辺については、極秘とされているので、昨夜の件は
自分を含めた限られた人数しか知らないはずだった。
「なにを驚くことがある?
城内の事で私の知らないことないよ。」
とマルケルはニヤリと笑った。

私は、マルケルが城内外に間者をはびこらせているという噂があることを思い出した。
この摂政は油断ならないと私は、再確認した。
「それでは、話が早くて助かります。
城内に入ったと思われる賊は、我が小隊では、発見できませんでした。
早急に各騎士団に捜索のご指示をお出しいただけませんでしょうか。」
そういった私に対して、マルケルは渋い顔をみせる。
ため息のような息を吐いた後、マルケルは話始めた。
「ここだけの話だが、貴公も知っての通り、今、城内は、微妙空気となっている。
これは、エリック陛下の体調がかんばしくないためだ。
このまま、エリック陛下が崩御されるのではとの噂もでているほどだ。
次期王の座をめぐっての政局じみた行動が暗躍しているのだ。
昨夜の賊もその政局がらみという節も考えられる・・・
よって、賊の捜索は、こちらで秘密りに行う。
貴公も昨夜の件は、他言無用とすること。
念の為、貴公の小隊は引き継き、メアリ宮の警備にあたられよ。」
と言ってきた。
私は驚いた、小隊程度の警備では、とても不安だ。
16人を3交代で警備にあたったとして、約5名づつでの警備だと、本来の近衛騎士団の仕事が行えないばかりか、負担もかなりなものだ。
「マルケル様、我が小隊は、私も含め16人しかいません。
せめて、増援をいただけませんか。」
と上申した。
するとマルケルは、少し考え、
「分かった警備に限り、増員を許す、貴公の所属する騎士団の一個小隊も警備に追加派遣する
ことにする。人選は貴公に任せるが、くれぐれも、警備のみとし、リーン殿下への接触はさけるよう、
厳命すること」
私は、少しほっとしながら
「寛大なご指示、ありがとうございます」
と言ったが、心の中では、納得いっていなかった。
どうも、マルケルの態度に裏があるようにしか思えなかった。

[続・マルケル]

私、「マルケル・ド・フランシーヌ」は、騎士リオンが退出した部屋の片隅の黒い影に向かって
声をかけた。
「シャドウよ。
子供一人も仕留められないとは、腕が落ちたな!?」
すると壁の影が人の形をとって、人が現れた。
「弁解する気は無いが、可の子供は、ただの子供では無い。」
私は驚きを隠さずに、言葉を発した。
「無色だぞ!
無能力者も仕留められないのか!?」
影は無表情で、
「可の子供は、無色であっても無能にあらず。
人知を超えた能力を秘めている。」
と断言した。

私は目を見開いて驚いた。