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リーンカーネーション・サーガ

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窓の下までこれたが窓枠まで1メートルぐらいの高さがある。
つかまるところもないので、上るにはこの体では無理がありそうだった。
あきらめて、部屋の中を再度見回す。
すると赤ん坊のベットからは見えにくい位置に肖像画が飾られていた。
誰の絵なのか気になったので絵の前までいって、眺めてみる。
絵はどうやら男性と女性の肖像画のようだ。
女性の方は、あの母親と思しき女性でウェディングドレスのような真っ白な衣装にティアラを載せていた。
男性の方は中世風の格好に大きなマント、そして頭には王冠が!
まさに「王様」の格好だった!
これってもしかして僕の父親?
顔などをよく見てみる。
顔はかっこいいというより、彫が深く、男らしい感じで顎髭が生えている、髭と髪と目の色は、母親より濃い青色とゆうより藍色に見えた。
背丈は、女性に比べてかなり高めか?
体つきは、かなりガッチリした感じに見えた。
見たところ、今の自分とは全然似ていない感じだ。
本当に父親かな?
でもこの人が父親ならもしかして自分は王子なのか?
王子っていったいどんな生活なんだろう?
なんだか、これから楽しみな気持ちになってきた♪
他に確認できるものが無いか部屋を見渡すと、ベットの脇に昨日、母親が座っていたイスがあり、
その上に本が置いてあった。
これは!
この世界の手がかりになるかも!
イスまで近づき、イスの上で本を開いてみる。
一見アルファベットに見えたが・・・でも自分が思い当たる単語とか文法とかは確認できない・・
うーーん?これは解読不能か・・・
取りあえず、パラパラとページをめくっていくと所々挿絵が入っていた。
絵の感じは、ファンタジーぽい。まー髪の色が色々だったり猫耳にしっぽだし・・まんまファンタジー
なのだからしかたないか?
挿絵は騎士がドラゴンを退治していくストーリーのように見えた。
?もしかしてこの世界にはドラゴンがいたりするのか?
どうやって戦うんだろう、やはり魔法とか剣?
そういえば、先ほどの男性や肖像画の王様の腰には剣が下がっていた。
魔法はあるのかな?
この挿絵では、魔法を使ってドラゴンに攻撃しているような絵があるけど・・
呪文とか必要なのかな?
呪文なしでもいけたりして・・・
ちょっと気になったので自分の手をマジマジと眺めてみた。
するとよく見ると自分の周りだけ、色が白い?一瞬、白く見えた!
あれ?っと思って目を凝らす。
(この時、誰か僕の目を見ていたら猫の目のように動向が縦に狭まったのが確認できただろう。)
すると確かに自分の周りにぼんやりオーラのようなものが見える。
手に集中するとそのオーラが広がったように見えた。
これって・・なんだ?ほんとにオーラかなにか?なのかな?
今度は、部屋の中を目を凝らして見てみる、すると虹色の空気の流れのようなものが確認できた。
その中をまるでシャボン玉のようなものがゆらゆらと浮遊している!
さっきまでそんなものは視えなかったのに!
そのシャボン玉に手を伸ばし触れようとしたら、シャボン玉は消えてしまった。
弾けたのではなく、自分のオーラ?に触れた箇所だけ消えたのだ!
シャボン玉はその一部が欠けたあと、弾けて消えてしまった。
なんだ?シャボン玉なら触れたら弾けるのは解るが欠けたあと弾けた・・・
手に集中して、オーラ?が広がったのなら自分の体に集中したら自分の体を中心にオーラが広がるのでは?
と考え、今度は、薄めを開け自分の体にオーラ?(気)が集まるイメージをしてみる。
すると、体から半径1メートルを円にしたようなオーラの領域が出来上がった。
その中には、なぜか、シャボンも虹色の流れも入ってこない。
これってなんだ?
魔法が使える前兆なのかな?
しばらくそのままでいると、なんだかすごく疲れてしまい。
集中が切れたと思ったら、景色は、普通の状態に戻っていた。
もう、虹色の流れもシャボンも視えない。
これは・・・自分の元の世界では見たことがないな・・・
話せるようになったら誰かに聞こうと心に決め、かなり疲れてしまったので、ベットに戻ることにした。
ベットまでいったはいいもののどうやって登ろうか思案していると、メイドの女性が替えのシーツを抱えて、
ドアを開けて入ってきた。
メイドの女性は、ベットの下でベットにつかまり立ちして見上げている僕を見つけると何事か叫んで駆け寄ってきた。
駆け寄ってきて、抱き上げると何かひとしきり話かけ、ベットの上に戻してくれた。
僕がメイドの女性見つめていると、メイドの女性は笑いかけ、頭を撫でてベットに寝かしつけられた。
僕は、なんだか疲れてしまっていたので、そのまま、眠りに落ちてしまった。

[リオンとメアリ]

私『リオン・ウィード・ヴォルタール』は今、メアリ殿下の離宮を目指して歩いている。
離宮といっても、この「ペンドラゴン城」の城壁内に作られたものなのでそれほど離れていないし、
他の王妃の離宮や王宮内の部屋にくらべるとずいぶんこじんまりしている。
これは、メアリ王妃が豪華な生活をあまり好まないからと、他の王妃に遠慮してという2つの
要素からそうなっていた。
だが、このエルウィン王国は、他国との海洋貿易でかなり潤っている。
他の国への物資の中継地点という立地の利点もあり周りの国々より利益を得ているのが現状なので、
メアリ王妃以外の王妃はかなり贅沢な暮らしをなされている。
したがって、メアリ王妃の行動はかえって他の王妃にとって疎まれる結果となっていた。

しばらく歩くとその離宮「メアリ宮」が見えてきた。
メアリ宮は、二階建てで少し広めの庭には花々が咲き誇っている。
特に目立つのは、白い花の数、メアリ王妃は淡い色合いを好むので、白や、水色の花が目立つ。
門をくぐり。両開きのドアの横についている呼び鈴を引っ張る。
しばらくして、ドアが開いた。
前もって、騎士団の従者に伺う旨を伝えていたので、すぐに扉が開いた。
扉が開いた時、思わず目を疑ってしまった。

出てきたのは、執事でもメイドでもなく、メアリ王妃本人だったからだ。
度胆を抜かれて急いで、お辞儀をし、名乗る。
「メアリ王妃殿下、お初にお目にかかります、私は、「風雷騎士団」のリオン・ウィード・ヴォルタールと申します。
このほど、リーン・ウォーター・ペンドラゴン王子殿下の側近及び教育係りの命を受け本日参上いたしまた。」
なんとは、慌てずに名乗りを挙げることが出来、胸を撫でおろす。
そんなそぶりを見ていたメアリ王妃は、気さくに
「そんな、かしこまらなくていいですよ。
今日は、リーンの為に来てくれてありがとう。
リーンは生まれて間もないからそんな、急に教育係りなんていらないに・・・
メイドで十分だと思ったんだけど、マルケルが決まりだからってうるさいのよね。
リオンさんもそんなに固くならずに気軽にリーンに接してあげてね。」
と言ってきた。
これは、さすがに驚いた。
そんな一国の王妃や王子に気さくに振る舞えなどと言われるとは思いもよらなかった。
私は、「そうは言いましても王妃殿下・・・」
言葉は途中で遮られた。
メアリは「私のことはメアリで良いですよ」
と言ってきた。
私はあっけにとられた・・・