自作お題小説『壊』
鍵のないポスト
白ヤギさんからお手紙着いた
黒ヤギさんたら読まずに食べた
「お前に手紙書いたから。」
数日前のあなたの電話。
私は『今更手紙?』なんて笑ったけど、嬉しかった。
その日から毎日ポストを開けた。
ワクワクしながら、毎日毎日ポストを開けた。
それでも一向に来ないあなたからの手紙。
「手紙届いた?」
数日後。不安そうなあなたの声。
「毎日ポストを見てるのに、全然来ないよ。」
「無理しなくていいよ。」
あなたの言葉が理解できなかった。
ねぇ…手紙に何を書いたの?
「ごめんな……変な事言って。」
そう言って切れた電話。
それから掛かってこなくなった電話。
手紙も届かずじまいだ。
ねぇ……手紙に何を書いたの?
ねぇ……どうして手紙は届かないの?
白ヤギさんからお手紙着いた
黒ヤギさんたら読まずに食べた
終わり 不完全燃焼ネタかな? 08/09/15