自作お題小説『色』
(色)パステルホワイトの街
大好きで…
大嫌いで…
どうしようもない…
言いたくて…
言えなくて…
傍にいるだけだった…
逢いたくて…
逢えなくて…
探し続けた…
届かない想いだと気付いてる
叶わない願いだと知っている
それでもいいと思ってた
儚い夢だと気付いてる
報われない恋だと知っている
それでもずっと好きな人
それなのに…
こんな日はやっぱり傍にいたくて
貴方と二人寄り添って歩きたくて
貴方を夢中で探してた
街をパステルホワイトの雪が埋め尽くしていくのを
ただただ見ていた
見ている事しか出来なかった
降りしきる雪の下
「貴方に…逢いたい…」
小さく呟いた息が白い
降り積もる雪の上
「どうしようもない位…貴方が…好きなんです…」
口に出したら涙が一緒に出た
雪の降る夜は…
どうしてこんなに切ないのでしょうか?
雪の積もる夜は…
どうしてこんなに悲しいのでしょうか?
どうしようもない程…
逢いたくて…
大好きだと…
言いたくて…
奇跡を期待して…
希望を輝かせて…
あぁ…
もう少し…
もう少しで…
街はパステルホワイトに埋め尽くされる…
愁いを帯びたその煌めく白が…
眩しすぎるそのパステルホワイトが…
隠し続けたこの気持ちを照らし出す
愛しいあの人…
どうか…
この気持ちに気付いて…
大切なあの人…
どうか…
この想いに気付かないで…
終わり