短編小説
あなたを染める真っ赤な雫
あなたを染める真っ赤な赤が…
あなたから滴り落ちる真っ赤な赤が…
無性にあたしを駆り立てる
その赤は…
その真紅は…
あたしを想って流す赤でしょう?
そう思ったらひどく愛しく思えて……
あたしは小さく笑った。
「何で?」
あなたはあたしを見上げて呟く。
だって……嬉しいから……
その赤はあたしの為の赤でしょう?
あなたから溢れ出してくる赤に、あたしは無造作に白を加える。
白に染み込む赤は…
ティッシュに染み込む血液は……
また一段と綺麗に見えた…
あなたの愛もこの位のスピードで、
あたしに染み込んでいくの…
あなたの赤に、真っ白なあたしは良く映える。
あなた色に染めて欲しいの。
「止まった?」
「うん。」
止まることを知らないように溢れ出ていた赤が
急に止まって、あたしは少しガッカリする。
もう少し見ていたかったのに……
「言っとくけどな……。」
あなたがボソリと呟いた。
「何?」
あたしは次の言葉を待つ。
「エロい事考えてたんじゃないからな。」
その言葉にあたしは笑った。
鼻の中を真っ赤に染めたあなたに……あたしは笑った。
終わり まさかのギャグオチ(汗)