短編小説
明日の朝に
「明日は晴れるかな?」
僕が問う。
あなたは雑誌から目をそらさずに『さぁ』と答える。
「明日は何が起きるかな?」
僕が問う。
あなたは顔色を変えずに『どうだろ』と答える。
「明日は何しようか?」
僕が問う。
あなたは天井を仰いで『そうだねー』と答える。
「明日はドライブでも行こうか?」
僕が問う。
あなたは少し考えて『いいんじゃない』と答える。
「明日は幸せかな?」
僕が問う。
あなたはやっと雑誌から目を離して『えっ?』と答える。
「明日の僕らは幸せかな?」
僕が問う。
あなたは僕をじっと見つめて『……』何も言わずに笑った。
「幸せって?」
あなたが問う。
僕はキョトンとしてあなたを見る。
「幸せって例えば?」
あなたが問う。
僕は頭を捻って考える。
「私といて幸せ?」
あなたが問う。
僕はあなたをみつめて『もちろん』と答える。
「変わらない毎日でも幸せ?」
あなたが問う。
僕は笑って『あなたがいれば』と答える。
「それなら幸せでしょう?」
あなたが問う。
僕は何だか胸のあたりがポカポカして『うん』と答える。
「明日も明後日も私は貴方の側にいるんだから」
あなたが言う。
僕は今日一番の笑顔で『明日も僕の隣にいてね。』と笑う。
どうか明日目覚めた時にあなたの変わらない笑顔が隣にありますように…
終わり