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短編小説

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誰の涙?

少し曇った窓ガラス。
ボーっと外を眺めてみる。
窓の外は土砂降りの雨。

自分の指をそっと窓に近づけて描いたスマイル君。
キュキュっという音が何ともいえない。

「何してるの?」
後ろから大好きな人の声がして振り返る。

「別に。雨を見てただけ。」
そう言って再び視線を窓の外に向ける。


「悲しいの?」
不意に聞かれたから『どうして?』と返した。

「だってそれ…泣いてるみたい。」
指差したのはさっきのスマイル君。

笑っているはずのスマイル君は、まるで泣いてるみたいだった。
結露した水滴が集まって、重力に耐え切れないかのように窓を伝って流れてる。

我慢していた涙が溢れ出ているような……

無理して笑っているようにも見えるその顔を
手のひらで乱暴に消した。

ぼやけた視界がクリアになって、外の景色がハッキリ見える。


「誰かが泣いているから…雨が降るんだって。」
後ろから聞こえた声。

少し考えて「それっておかしいよ。」と返す。

それだったら……毎日雨じゃない?

沢山の人が生きてる…
沢山の人が毎日生活している…

その毎日の中で、みんなが笑ってる日なんて有り得ない。
誰かしらが悲しんでる。悔しがってる。

得をする人がいれば、損をする人もいる。
世界中の全ての人が幸せになれる。そんな事は絶対に有り得ない。


「だけど雨が降ったら悲しいでしょ?」
あんまり寂しそうに言うから……
こっちまで伝染したみたい。

二人で見つめる窓の外は、止みそうもない雨が降り続いていた。


「明日は…晴れるといいね……」

そう言ったのは…どっちだったか?


終わり  相変わらず意味がわからない(==;
      一応主人公は男でも女でもいいように作ってみました。 
作品名:短編小説 作家名:雄麒