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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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キャンドルで君が脱ぐ

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僕らは手を組んでパーク内の予約していたレストランに向かうことにした。
ホテルの前の運河から船に乗りパークの中央部まで行けるのだ。
誰もが振り返るカップルになっていた。
クリスマスだから恥ずかしくないし、今日は記念すべき二人のイベントなのだ。
飛び切りの夜を二人で演出するのだ。ルミは堂々と映画スターになりきっている。
注目を集めながら僕らはレストランにたどり着いた。

レストランではこの日2本目のワインをあけてもらうことにした。
グラスをぶつけ合う乾杯はしない。少しグラスをかかげ、今度は二人で微笑を浮かべ
乾杯する。
どこまでも、その気で演じるルミが可愛いい。
いい女と、いい酒と、おいしい食事。これほどのプレゼントはないな。
しかしルミは「お楽しみはこれからよ」と意地悪を含んだ言い方をして期待させる。
なんなんだろう?


着飾っていても、おバカな会話とエッチな会話ははずせない。上品と下品でバランスをとっていくのが遊んできた大人たちのスタイルだ。時間はあっという間に過ぎて行った。
すでに暗闇はイルミネーションをより輝かせ、怪しい二人をさらに怪しくさせた。

突然、パンッ パパパ~ン 花火の音が聞こえてきた。
窓の外を見ると花火が海上で打ちあがっている。
「いいねぇ~。いい夜だ」
「ほんとねぇ~、来てよかったわ~」
二人で寒空に打ちあがる花火を見た。
儚い一瞬の光。煌めいてやがて消えてゆく花火はせつない。
過ぎた恋と同じように、いづれ消えてゆくものなのか。
ルミもそう思ったかは定かでないけど花火が夜空の天空で煌めく中、ルミの顔は人形のように美しかった。
僕はルミの横顔にキスをした。
ルミはハッと驚いたがくすっと笑って、僕の方に向き直り
「ちゃんとキスをして」と言ってきた。
彼女の正面に立ち僕はみんなが花火を見上げてる最中、光の影でルミに熱いキスをした。