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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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キャンドルで君が脱ぐ

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ルームサービスで赤ワインを注文し運んできてもらうと、僕らはバルコニーで乾杯することにした。ここからは眺めがいい。
「かんぱ~い。メリークリスマス」
一息に飲んだルミは、僕の首に抱きつきワインの香りを漂わせながらキスをしてきた。
「ちょっ、ちょっ、まだ飲んでるんだから」
ルミは開放感からなのか、いつもより笑顔が緩んでいる。
「だ~い好き。今まで付き合った中で一番大好き」
ルミは上機嫌だ。
「今まで付き合ったって、何人ぐらいいたんだ?」
僕は冗談のつもりで聞いたんだけど、
「えっと・・・30人くらいかな・・」
「さんじゅ~・・う・・・」
僕はワインをこぼしそうになった。
「嘘よ。ただ多いのは確かかも。その中で一番なんだからいいじゃない」
「今はね・・・」
ルミの屈託なく笑う笑顔と嘘か本当かわからない数字に、案外嘘じゃないかもしれないと思った。
だけど、ホントは気にしてない。もてない女よりもてる女がいい女に決まっている。
ただ順番が遅かっただけだ。
 グラスをテーブルに置いた僕は、今度は本格的にルミの唇に情熱的に舌を絡ませた。
少し寒い12月の風が唇の隙間から入ってきた。温かい絡み合う舌を冷やすかのように。

そのままベッドに倒れこみたかったが、ルミは「後で」と言って、部屋に入るなりドレスに着替えだした。黒のベルベットに赤いふわふわした毛をあしらってある細めのドレスは、映画の中の高級娼婦のような女にルミを変身させる。
それから彼女は化粧室にこもった。