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白い日記帳

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第6話 みっちゃん


私が中学生になる頃。
この頃から恋を意識するようになる。

幸ちゃんに彼女らしき子が出来たからかもしれない。
周りの友達が好きな人の話を楽しそうにしていたからかもしれない。

私はよく友達から、恋の相談をされた。
ほとんどが幸ちゃんを好きな子からの相談だったが…。

「ごめんね、芹那。また話聞いてもらっちゃって。」
「いいよー。私こそ聞いてあげる事しか出来なくてごめんね。」
「ううん。ちょっとスッキリしたし。ありがと。」
「それなら良かった。」

「ところで芹那って好きな人いないの?」
「えっ?」
「聞いてもらうばっかで、芹那のそういう話聞いた事なかったから。」

「うーん。今はいないかなぁ?」
「そっかぁ。出来たら相談してね。」
「うん。判った。」

友達にはそう言っていたが、私はこの頃恋をしていた。

恥ずかしくて言えなかったというのもあるが
別にこのままでもいいな。なんて思っていたから、
敢えて言う必要は無いと思った。



「芹那ー、帰るぞーー。」
「あれ?みっちゃん、今日部活は?」
「テスト期間で休み。」

「そっか……もうじきテストだっけ。」
「忘れてたのかよ?」
「わ…忘れてないよ!ちゃんと勉強してるもん。」

「へー、じゃぁ今回は一緒にテスト勉強しなくていいんだな?」
「だめっ!するする!教えて。」

「じゃぁ、準備してこっち来いよ?貴幸も来るって言ってたし。」
「幸ちゃんも?やったぁ、じゃぁ英語も持っていこう。」


帰りも別々だった幸ちゃん。

久しぶりに一緒に遊べる…じゃなくて、
勉強が出来るのが嬉しかった。

幸ちゃんファンの子達には、恐ろしくて言えないけど…。


幸ちゃんに会えるのは嬉しかったけど
私の心は少しだけ残念に思う。

みっちゃんと二人でも良かったけど…って。


そう…私はみっちゃんが好きだった。

皆がカッコ良いという幸ちゃんじゃなくて
私はみっちゃんに恋していた。

もちろん幸ちゃんの事も好きだったけど…
みっちゃんに対する好きとは違う気がした。


7月10日

今日はみっちゃんの家で
三人でテスト勉強をした。
何ヶ月ぶりに見たみっちゃんの部屋は
ちょっとだけ変わってた。
ちょっと男の人の部屋になってた。


その日記を読み返して、
この頃の私がそう思ったのは…

私の気持ちが変わったからかもしれない
みっちゃんを異性として見始めたからかもしれない

そう思った。


続く→
作品名:白い日記帳 作家名:雄麒