小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

白い日記帳

INDEX|6ページ/33ページ|

次のページ前のページ
 

第4話 初めての三日間


みっちゃんと幸ちゃんが六年生になって、私も五年生になる。

この年の十月。
私は少しだけ大人になる。

ある事をきっかけに、私は日記を付けるようになるのだ。

そのきっかけというのが
みっちゃんと幸ちゃんの修学旅行。

二泊三日という短い期間。
人にとっては短い期間でも
私にとってはとてつもなく長い期間だった。

こんなに長い間みっちゃんと幸ちゃんと離れる事なんて無かったから。


「二人とも……明日から修学旅行行っちゃうの?」

「何だよ。芹那、淋しいのか?
 三日なんてあっという間だよ。」
みっちゃんはあっけらかんとして言ったっけ。

「ちょっとの間だから、心配ないよ。
 お土産買ってくるからな?」
幸ちゃんは私の頭を撫でながら、笑ってくれた。

「芹那、どうしても淋しくなったら、その想いを文章にするといいよ。」
不安そうな顔をする私に言ってくれた、幸ちゃんの言葉。

「文章に……?」
「うん。日記でもいいし、手紙でもいいし。
 書いたらスッキリするよ。」

「日記かぁ……?」

「芹那に日記なんて書けんのかよ?」
馬鹿にした感じで、みっちゃんに横槍を入れられる。

「書けるよっ。今日からやるもん。ずぅっと続けられるもん。」
「じゃぁ、芹那がいない時、盗み見よう〜っと。」
「バカー!みっちゃんのエッチ〜〜!!」

気付くと私は笑ってた。
みっちゃんも幸ちゃんも一緒に笑ってた。


私はその後すぐに文房具屋に行って、
一冊のノートを買った。

花柄のピンクのノート。

家に帰ってすぐにノートを開いて、今日の日付を入れる。

ノートの一ページ目って、
何だかいっつも緊張する。

ドキドキして、ワクワクして、そして少しの満足感。


この日から私は日記を付けるようになった。



10月16日

今日から日記を付け始める。
明日からみっちゃんとゆきちゃんが
修学旅行に行っちゃって
淋しくなるけど、頑張るぞ!


続く→
作品名:白い日記帳 作家名:雄麒