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白い日記帳

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第1話 幼馴染


私達が出会ったのは、私が三歳の時。
その頃二人は四歳だった。

きっかけは私の母の公園デビュー。
私の母と、みっちゃんのお母さんが
そこで仲良くなって、
よくよく話をしてみると、家もお隣だった。という偶然。

みっちゃんと幸ちゃんのお母さんは、
同じ男の子を育てる親として、元々仲が良かったらしい。

そこにいつの間にか私の母も混じって
三人でいることが多くなった。

そうなると必然的に、
私達も一緒にいる事が多くなる。

私達は所謂『幼馴染』ってヤツだ。


みっちゃんと幸ちゃんは、私より一つ上だったけど
その頃はそんなの関係なかった。

遊びも喧嘩も手加減無しで
いつでも全力で楽しかった。

三人でやれば何でも面白かったし、
三人でいれば何でも出来る気がした。


「みっちゃ〜ん。」
「せりなっ!危ないっ!」
「えっ!?」

「うぇぇぇぇん。痛いよぉ〜。」
「大丈夫だからっ、せりなっ!泣くなっ!!」

みっちゃんは人一倍元気で明るくて
そして…人一倍優しくて、いつでも周りを気遣ってた。


「ゆきちゃんっ!どうしようっ!?せりなが…せりながっ!」
「大丈夫だよ。まずは傷口を洗って血を止めよう。」

「せりな、立てる?」
「ぐずっ…ひっく……たてる……。」

幸ちゃんはいつでも冷静で落ち着いていて
たまにヤンチャする私とみっちゃんを、陰ながら支えてくれていた。



私はそんな二人が大好きだったし
二人の側にいられる事を、誇りに思っていた。


「芹那ー。」
「貴光ー。」
「貴幸ー。」

「そろそろ帰るわよー。」

「あっお母さん達だ。行こう。」
「「うん。」」


「みっちゃん、バイバイ。」
みっちゃんの本当の名前は『藤井 貴光』という。

「ゆきちゃん、またね。」
幸ちゃんは『細川 貴幸』だ。

二人の名前の一文字目が一緒だったので
私は二文字目で二人を呼んでいた。


「じゃあな、せりな。」
「またね、せりな。」

私は『外波山 芹那』

変わった名前だから気に入らなかったけど…

みっちゃんが『変じゃないよ』って言ってくれたから…
幸ちゃんが『可愛い名前』って言ってくれたから…

結構気に入っている。


明るくて…いつでも楽しませてくれる…みっちゃん
優しくて…いつでも見守ってくれる…幸ちゃん

こんな素敵な二人が
私の自慢の幼馴染です。


続く→
作品名:白い日記帳 作家名:雄麒