白い日記帳
プロローグ
『みっちゃ〜ん。遊ぼ〜。』
『いいよ。なにして遊ぶ?』
『う〜んとねぇ、かくれんぼっ!』
『よぉし…じゃぁ、ゆきちゃんも呼ぼう。いっぱいの方が楽しいよ。』
『うん。ゆきちゃ〜ん。か〜くれんぼし〜ましょ♪』
『かくれんぼ?せりなと二人で?』
『ううん。みっちゃんと三人で。』
『いいよ。やろう。』
『じゃぁ…じゃんけんしよう。勝った人がオニね。』
『勝った人がオニ?』
『負けた人じゃなくて?』
『そう。だって負けてオニだとつらい事ふたつだから。』
『そっか〜。』
『だから勝った人がオニ。』
『『わかった。』』
『『『じゃ〜んけ〜ん…………』』』
私達は幼い頃からずっと一緒だった……
あの頃は…毎日が楽しくて………
私達三人はずっと一緒にいられると思ってた…
離れ離れになるなんて想像出来なかった…
私がいて……
幸ちゃんがいて……
そして……みっちゃんがいた……
楽しかった時間は……
幸せだった記憶は………
苦しい現実に……
辛い過去に掻き消されて………
ボンヤリとしか思い出せない
頭の片隅で…
あの笑顔が消えかかっている
ねぇ……
もう一度…笑いたいの……
夜空に咲く…満開の花の下で……
三人……
肩を…並べて……
もう一度…笑いたいの……