白い日記帳
第27話 哀惜
母が部屋を出て行って…
私は一人考える。
どうすればいいのか?
何をすればいいのか?
考えても考えても、あるのは悲しみと不安だけ。
「やっぱり……私……みっちゃんがいなきゃ……。」
扉をノックする音の後にゆっくりとそれが開く。
「幸ちゃん……。」
私の目の前に立った幸ちゃん。
幸ちゃんも少し痩せた……ううん……やつれた気がする。
「久しぶりだな、芹那。」
幸ちゃんの言葉に私は目線を外して床を見た。
「大丈夫か?ちゃんとご飯食べてるか?」
優しい口調で話す幸ちゃんが、ゆっくり近づいてくる。
その足を止めたのは……私の言葉。
「何で………なんで…みっちゃんは……いないのかな?」
必死で笑った。
そんな私を見て、幸ちゃんは眉をしかめて俯く。
「みっちゃんは……いつも話を聞いてくれた……
いつでも……傍にいてくれた……。」
ポツリポツリと独り言のように呟く。
「でも……今は…問いかけても答えてくれない……
傍にいたくても……頭撫でてもらえない……。」
私は笑い顔のまま泣いていた。
「芹那……。」
幸ちゃんの低めの声。
みっちゃんのそれを少しだけ思い出させて、余計に泣けてきた。
「みっちゃんに……逢いたいよぉ……。」
私は震える声で泣き崩れた。
「芹那……。」
優しく私の髪を撫でた幸ちゃんの手。
大きくて暖かい手。
「だって……私……何も言ってない……
みっちゃんに……何も伝えてない……」
真っ暗な部屋に真っ赤な夕日が差し込んできて……
私達二人を照らし出す。
続く→