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白い日記帳

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第15話 大願成就
夏休みが終わると、二学期が始まって
月日は瞬く間に過ぎていった。

行事の多いこの学期。
体育祭。文化祭。

後は忘れちゃいけないクリスマス。

クリスマスは毎年、
私の家族と、みっちゃんの家族と、幸ちゃんの家族で
皆集まってパーティをしていた。

だけど…今年は少し違った。
私が高校生になった事で、
親同士も気を利かせたのか、今年からパーティはしなくなった。

母に話を聞くと、
今年は幸ちゃんが用事で参加出来ないと言われたので
全体的に辞めにしようという話になったらしい。

つまんない。とブーたれていた私に
みっちゃんが些細なパーティをしようと言ってくれたので
二人だけのミニパーティをした。

また幸ちゃんと別々か……なんて思っていると…

少しおめかしした幸ちゃんが、
みっちゃんの部屋のドアをノックしたのが、夜の十時過ぎ。

デートの後に来てくれたんだ。と嬉しくなった。

三人で笑いながら、残ったケーキを食べていると
みっちゃんのお母さんに『あんた達は相変わらずね』と笑われた。


きっと…私達は変わらない…
でも…これでいいんだ



12月31日

今年も今日で終わり。
この一年も楽しかったなぁ。
来年ももっと楽しいといいなぁ。


年を越えた次の日の朝。
私は振袖を纏い、みっちゃんの家のインターホンを押した。

「みっちゃ〜ん。初詣に行こう。」
そう言った私を見て、みっちゃんは驚いた顔をしていた。

「何だよ、珍しいな。いつもは寝正月だろ?」
「いいから。いいから。」

パジャマのままのみっちゃんを急かして、
無理やり準備を整えて家を出た。

その後、幸ちゃんの家にも行って
同じく寝ぼけ眼だった幸ちゃんも引っ張って
いざ初詣に!



いつもより人の多い神社。
私は二人と離れてある物を買った。

『学業』のお守りだ。
みっちゃんと幸ちゃんは今年大学受験だったから…

それから私は少し考えて、もう一つお守りを手にした。

これは…私の分。

『恋愛成就』なんて…恥ずかしいけど…
それを見つめて笑顔になる。


「お待たせ〜。」
大きな木の傍に立っていた二人に駆け寄る。

「あんまり急ぐとこけるぞ。」

そう言ったみっちゃんの手をちらっと見て
その後に幸ちゃんをちらっと見て

やっぱり…恥ずかしいな…と思った。

花火の時みたいに手をつないでいたかったけど…
幼い頃からずっと私達を見てきた幸ちゃんの前で
それをする勇気は無かった。


「これっ、二人に。」
私はついさっき買ったお守りを二人に渡す。

二人は『何?』と言いながら、封を開けて
中を見て『ありがとな』と言ってくれた。




「おっ、おみくじある。やろうぜ。」

三人で歩いていた前方に『おみくじ』の文字。
みっちゃんがそれを見つけて駆け出す。

「よしっ、誰からやる?」
幸ちゃんの声に、私達は顔を見合わせる。

「じゃぁ…じゃんけんで……」
私の言葉の後に、三つの声が重なった。

「「「勝った人が最後。」」」

私達は笑って…
『全然成長してないじゃんか。』なんて………。


続く→
作品名:白い日記帳 作家名:雄麒