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壇上のNovelist 2ndシーズン

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第28話 真剣(マジ)な感情(本)
実希ちゃんが新潟に行くと決まってから、元気の無い雫ちゃん。

実希ちゃんの前では、無理にでも笑顔を作っとるけど……
それすらも見てるん……辛いゎ………


家に帰ってからも、それは目に見えてわかるらしく……
昨日…西条から電話がかかってきた……

『瀬崎に何かされたんかっ!?』って……
すごい剣幕やったな……(笑)

あいつも過保護っちゅーか……
まぁ……好きなんやろなぁ………




「本山先輩。」
呼ばれて振り返ると、瀬崎が立っとった。

「何や?どうかしたんか?」
雫ちゃんの事あるけど、こいつも可愛ぇ後輩やし、笑顔で聞きかえす。

「戸谷先輩のことなんですけど……。」
「雫ちゃん?」

笑顔は絶やさずに、平然を保つ。

心ではやっぱりか……と思う反面……
何を言われるんか、内心ドキドキ。


「本山先輩と戸谷先輩って付き合ってるんですか?」
「はぁっ!?」

思わず変な声が出てまう。

そっちの誤解かぁ。と思いながら、笑いを堪える。

そんな俺の態度に、ムッとして言葉が強くなる瀬崎。
「真剣に聞いてるんですっ!」

「悪ぃ、悪ぃ(笑)
 付き合っとる奴おるっちゅーたけど、俺やないよ。別の奴や。」

「そ……そうなんですか……。」
瀬崎は目を逸らして、難しい顔しとる。



「悪ぃ事言わんから止めとき。あそこは無理やって。
 俺でもたまにイライラする位ラヴラヴやからな(笑)」



「それでも……俺は諦めませんよ。」
再び俺の目を見て、にやっと笑う。

「それに戸谷先輩って、少し抜けてるとこあるから、うまくやれば……」
「お前なぁっ!!弱味につけこんで、手に入れたって、しゃーないやろっ?」

カッとなって、声が大きくなる。


「それでも……手に入れたい相手っているもんですよ……。」
怒鳴り声に動じることなく、言い放った。

「とにかく、これからは金折先輩がいなくなるおかげで
 ずいぶん話しかけ易くなりますしね。」
瀬崎のその言葉に、思わず体が動いて、胸倉を掴む。

「今の……絶っ対…雫ちゃんの前で言ぅなや?」


突き飛ばすように離した。



「くくくっ。そんなドジに見えます?」
襟元を直しながら、俺から離れて言った。




  あいつは……あかん…… 

  危険や………


  実希ちゃんがおらんくなる事で…

  精神的にも弱っとる雫ちゃんじゃぁ……


不吉な予感に、大きく頭を振る。


  西条と約束したんや………

  西条がおらん今は………

  俺がしっかりせな…………



続く→
作品名:壇上のNovelist 2ndシーズン 作家名:雄麒