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壇上のNovelist 2ndシーズン

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第26話 強敵現る!?(遥)
「ただいま〜。」
玄関から雫の声が聞こえて、仕事をしていた手を止める。

「おかえり〜。」
居間へ向かってお出迎え。


「ようちゃんvv」
  
  帰って来て、俺の顔を見る時の雫の笑顔が好きや。


「………?」
少し疲れたような顔で、ソファーに座った雫を見て、俺もその横に腰掛ける。

「どしたん?何かあったんか?」

雫は背もたれに体を預けたまま、俺の肩に頭を乗せた。


「今日ね…新しい子が、入団してきたの。」

「ほー、えぇ事やんか。」

「うん。あたしも先輩って呼ばれるようになるんだ〜…って。」
少しうとうとしながら喋る。

「せやなぁ。嬉しぃやろ?いろいろ教えたらなあかんで?」

「うん。あぁ…そういえば今日早速『彼氏いるんですか?』って聞かれて………。」
そう言うと、急に頭を上げて焦っている。


「だけどっ!ようちゃんの事は言ってないよ。
 二人だけの秘密だもんね。だけと……本ちゃんが言っちゃって……。」

「本山が?」
こくんと頷いて、再び肩に頭を置いた。




「ようちゃんは…………あたしの彼氏……だよね?」
俺の服をきゅっと掴んで、額を擦り付けてくる。


「当たり前やん。お前の彼氏は俺だけで、俺の彼女も雫だけやで?」
安心させる様に、頭をくしゃっと撫でてやる。

「良かった………。」
ほにゃっと笑って………。



「でもその後輩も、いきなり折りいった事聞いてくるなぁ。」

「うん。実希もちょっと困ってたし。」

「金折は今フリーやったっけ?」

「そう。だから変に勘違いされても困るしね。」


(ん……?)

不意に疑問が浮かんで、雫に向き合う。

支えを失った雫の頭が、フラフラしている。


「ちょぉ待てよ。後輩て……男か?」

「そうだよ。」
きょとんと首をかしげる。


  何やてーーー?
  会ぅて第一声に『彼氏おるんか?』聞いてくるって事は 
  少なからず気ぃあるんと、ちゃうんか?

「雫っ!その後輩に変な事、聞かれたんちゃうやろな?」

「変な事?」



  あーーーー!!
  そうやったっ!こいつめっちゃ『鈍』やんか!?
  うまい言葉で、ころっと騙されそうやん!!


「えぇか?よぉ聞け…………ぐるるるる〜
俺の言葉を遮って、腹の音……

「えへへvvお腹減ったね/////よしっご飯にしようっ。」
雫は何事も無かったように、キッチンへ向かって行った。



  ま……まぁ……そうと決まった訳やないし……
  大丈夫………やろ?




そう思ったのに……部屋に向かって、携帯を握り締める。




   プルルルルルル〜♪

『はいな(笑)』
開口一番、楽しそうな本山の声。

「あぁ……俺やけど……。」
何となく悔しくて、口調がぶっきら棒になる。

『ぶっ(笑)絶対掛けてくる思たゎ。』
電話越しでも笑いを堪えてるんがわかる。

「んで?どうなん?」
『どうって?』

「わかってんねやろ?」
『あはは。悪ぃ悪ぃ、瀬崎ん事やろ?』
「瀬崎いぅんか……。」

『何や…名前も聞いてへんのか?』
「とりあえず『彼氏いてるんか?』聞かれたっちゅー事だけ聞いた。」


『う〜ん。そぅやな〜。』
急に本山の声から、笑いがなくなって……

『これ言うのも何やねんけど……。』

「何や?」
思わずゴクリと、固唾を呑む。

『多分……雫ちゃんの事……好きやと思ぅけど……。』


「……………。」
返す言葉が見つからなかった。


『でもっ、多分やで?好きなんちゃうかな〜程度に。』

『だから俺が一押ししといたやん。ちゃんと彼氏おるで〜って。』


『雫ちゃんの事や……大丈夫やろ?
 こんなん言ぅんも恥ずぃけど、お前の話してくる時の雫ちゃん…
 めっちゃ幸せそうやで?そりゃぁもう抱き締めたくなるくらい可愛ぇし。』

「お前までそんなん、言わんといてくれや……。」

『あははっ。俺かて友達の彼女盗るような、最低の事したないゎ。』



『まぁ……相手があの雫ちゃんやから、お前が心配になるんは、
 わかるけど……俺も気ぃ付けるし……心配すなや?なっ?』



「…………ありがとぅ。」
素直に出た礼の言葉に、電話越しに笑い声が聞こえてくる。

『まぁ、ようちゃんきってのお願いやし?大船に乗った気でいてくれや?(笑)』

「お前なぁ〜/////」


その後少し話をして、電話を切った。





「ようちゃ〜ん。ご飯〜。」
いいタイミングで、雫の声がして居間に戻る。



「今日は失敗しなかったよ〜。」
自信満々に料理を並べる。


「「いただきます。」」
熱々の料理に箸を付ける。


「なぁ………。」
「ん〜?」
口の中でモゴモゴしながら、俺を見る雫。

「例の……後輩……気ぃ付けや?」
「???」

相変わらず不思議そうな顔するから……


「とにかくっ、あんま二人っきりになったりせぇへん事!」

「……??うん。よくわかんないけど、わかった。」



  何となく不安な返事やけど………
  今までの経験上……
  雫がこぅ言ぅた時は、大抵わかっとるから、平気やろ………?
  本山もおるしな…………



続く→
作品名:壇上のNovelist 2ndシーズン 作家名:雄麒