壇上のNovelist 2ndシーズン
第24話 秘密の買い物(遥)
はれて両想いになった俺ら……
まぁ…もともとそぅやったんやろうけど………
こないだ口に出して、言ぅたから…尚更そう思ぅ。
「ようちゃん、何してんの?」
パソコンをいじってる俺に、雫が近づいてくる。
普段パソコンの前におる時は、大抵原稿打ってる時やと知っとるから
近づいて来ぉへんのに………
「ネット?」
ひょこっと覗き込んで来よるから、慌ててそのページを閉じた。
「よぉ分かったな。仕事してへんって。」
「だって、カタカタ聞こえなかったもん。」
(カタカタ…?あぁ…キーボードの音かいな?)
雫の言葉に吹き出すんを、必死に堪える。
「またどっか行くの?」
「どっこも行かへんよ。さぁ、えぇから。あっち行っとき。」
「何で〜?ようちゃんばっかり遊んでる。あたしとも遊んでよ〜。」
口を尖がらしてブーブー言ぅから…
仕方無く、こないだ買ぅたばかりの対戦ゲームに付き合う。
ゲームの最中…ちらっと時計を見ると、午後2時。
(もうじき着くやろか?)
さっきネットで、今日の2時には配達予定やったのを思い出す。
実ゎ……雫に内緒で…………ある物を買ぅた。
「雫。」
「何っ!!」
雫はテレビ画面に釘付けで、コントローラーを握り締めている。
「ちょぉ…今から、煙草買ぅてきて?」
「あぁぁぁぁぁぁっ!!ようちゃんが横で喋るからぁぁっ!!」
画面いっぱいに『YOU LOSE』の文字。
それは…俺だけのせいちゃうやろ?
「で?何?」
「煙草。買ぅて来てvv」
両手を合わせて、お願いのポーズ。
「嫌っ!あそこのコンビニのおじさん、売ってくれないもん。」
前に頼んだ時に、コンビニの店員に
『二十歳未満の方にはお売り出来ません』と言われて、追い返されて来た事があった。
「ほんなら、駅の側の自販でえぇよ。」
「………ようちゃんも、一緒に行こ?」
少し考えて、じっと見上げて来るけど………
それじゃぁ…意味ないねん………
「俺はダメや。今から大切な電話かかってくんねん。だから、なっ?頼むゎ。」
雫の手に財布を握らせて、お願いする。
「なら…そのあt プルルルル〜♪
何かを言いかけた雫の後ろで、丁度電話が鳴る。
「ほらっ。来たっ。頼んだで?
あっ。後ちょぉ早ぃけど、夕飯の買い物も一緒にして来てな。」
渋々立ち上がった雫を見送って、慌てて受話器を取った。
「はい。………ええ、いいです。…………それじゃぁよろしくお願いします。」
頼んでいた物が、すぐに到着するみたいで、取り敢えずは一安心。
ピンポーン♪
「宅配で〜す。」
待っていた物も無事到着して……雫の帰りを待つ。
(思たよりも、遅いなぁ……。)
「ただいまぁ。」
ガサガサと、ビニールの音がしてるから
ホンマに買い物もして来たらしぃ。
「おかえり〜。ありがとぅなぁ〜。」
そう言ぅた俺に、頬を膨らませた。
「折角……二人ともお休みなのに…………
一緒にお買い物……行ける日なのに………っ。」
プイッっと冷蔵庫へ向かう。
『雫ぅ。ちょぉ…来てみぃ。」
冷蔵庫に入れ終わったのを確認して呼び出す。
「……………。」
まだご機嫌斜めらしく、黙って近づいてくる。
「ホンマは一緒に行きたかってんけど………
びっくりさせたろ思て…………。」
俺は寝室のドアを、ゆっくりと開けた。
「え…………?」
目の前には昨日まで置いてあったベッドの2倍位のWベッド。
「どうしたの?これ?」
ボフッと音を立てて、雫がベッドに倒れこむ。
「買ぅた。」
「ようちゃんの?」
「ちゃうよ。…………………俺と………お前の……/////」
今まで何回も、同じベッドで寝た事あんのに……
やっぱ……口に出すんは……恥ずいゎ……/////
「……っ!?ホントに?」
目ぇキラキラ輝かせて見てくる。
「じゃぁ……毎日一緒に寝てもいいの?」
「そうゆう事やな。」
「寝る前…頭撫でてくれる?」
雫は大抵布団に入ったら、すぐ寝るんやけど……
たまに眠れへん時があるらしく……(ホラー見た後とか)
そんときは、頭撫でてやると
気持ちいぃんか知らんが、眠りに就く……
「眠れへんのやったら、えぇよ。」
「やったvvv」
「ありがとっ。ようちゃんvvv」
ちゅっと音を立てて、頬にキスをされる。
(あぁ〜。やっぱ早まったかもしれへん……)
同じ布団で、理性を保てる自信があらへんゎ……
続く→
作品名:壇上のNovelist 2ndシーズン 作家名:雄麒