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壇上のNovelist 2ndシーズン

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第38話 幸せ(遥)
  金折は気付くやろか?

俺がわざわざ本山を連れてきた理由が…
いつまでも雫に黙っとる訳にもいかんやろ?

それに……
雫がこの二人の事情に気付いてないことで
問題点が一つ

ここは…遊園地。
乗り物は大抵二人乗りや。

そりゃぁ金折とは久しぶりに会ぅたんやから
ずっと一緒におりたいんは判るゎ。

判るけど……何が悲しくて大の男二人で隣に座って
ジェットコースター乗らなあかんねん。。。



烏龍茶を買って、二人の待つ場所に戻る。

ベンチに座った二人が、揃って本山を見ている。

  言ぅたな…。さすが金折や。

「本ちゃん!!」
先に雫が口を開いて、本山を見上げる。

「何?」
本山は金折に飲み物を渡しながら、雫に微笑みかける。


「実希を泣かせたりしないでね。」
雫の言葉に、驚いて持っていたコップを落しそうになってる本山が面白かった。

「雫ちゃん……聞いたん?」
汗が滝のように流れ落ちている。

「もっと早く言ってくれれば良かったのにぃ〜。」
雫が頬を膨らませて、少し拗ねたような口調。

本山は耳まで真っ赤にしながら、小さな声で『ごめん』って…(笑)


「よしっ!じゃぁ…。」
すくっと立ち上がって雫が俺の腕を掴んだ。

「Wデートの続き〜vv」
そのまま引っ張られるように歩く。



「次は何乗る?」
四人で横一列に並びながら、真ん中で雫と金折が話している。

「ほとんど乗ったからね〜。」

  いや…まだ乗ってへんのあるやん

「あれ、まだやで?」
俺は左方向のお化け屋敷を指差す。

「ダメっ!あれはヤダっっ!」
頭を大きく横に振りながら、雫が拒否をする。

  言ぅと思たゎ…怖いのん駄目やもんな
  せやけど、遊園地言ぅたらあれやろ?

「俺も遠慮しとくゎ。」
右側から本山の声。

  そういえば、本山も駄目やったっけ?

「…………。ほんなら俺と金折で乗ってきてもえぇんか?」
「「「えっ!?」」」
三人が驚いて声をあげる。

「だって雫と本山はリタイヤやろ?したら、俺ら二人しかおれへんやん。」
にやっと笑った俺に、金折と本山が気付く。

「ダメっ!じゃぁあたしも乗る!!」

  よっしゃ!作戦成功(ガッツポーズ)

「実希と本ちゃんも乗ってね。」
「え゛っ!?そんな〜。」
情けない声で本山がうな垂れる。

ぎゃぁぎゃぁと雫と本山が討論。

そんな二人を間を縫って、金折が近づいてくる。

「西条さんてば、確信犯ですね。」
「いややゎ〜。策略家と言ぅてくれ(笑)」


結局全員乗ることに決定したらしく、順番を待つ。

「じ…じゃぁ、実希達が先に乗って!」
「わかった。ほらっ本ちゃん、行こう。」
そう言って二人は暗闇に消えていった。



「ようちゃん…どうしても乗るの?」
既に涙目になった雫が、見上げてくる。

「ここまで来て何言うん?ほら、行くで。」
暗闇を二人で歩いていく。

雫がぎゅっと腕に掴まった状態で、歩きにくいけど俺は楽しいゎ。



「ようちゃんは実希達の事知ってたの?」
何か話していたいのか、いきなりそう聞かれた。

「知ってたっちゅーか、気付いたっちゅーか…。」

[うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!]
先の方から叫び声がして、さすがの俺も驚いた。

「今の本ちゃんの声?」
「みたいやな(笑)」


二人で笑って…
だけどしっかりその後雫も叫んどった。

やっと出口に辿り着いて、叫び疲れてグッタリしている雫を支えて辺りを見渡す。

「あれ?実希達は?」
「しぃっ。」
口を押さえて、隠れながら先のベンチを指差す。

ベンチでグッタリしている本山に寄り添っている金折。

「なんや…あの二人結構サマになっとるやん。」
「そうだねvv」
ふふっと笑った雫に、俺の口元も緩む。

「嬉しそうやなぁ。」
「うんvvだってあたしは二人とも大好きだから、二人が仲いいと嬉しい。」
「せやな。」

その後合流して、本山をからかいながら。


幸せな時はすぐに過ぎ去ってしまうもので…



「じゃぁ。」
金折を駅まで送る。

泣きそうになっている雫に、金折がぎゅっと抱きついている。

「雫…行ってくる。また遊びに来るから。」
「うん。」

「西条さんもありがとうございました。」
「おぅ。頑張りや。」
『はい』と笑って、その後本山を見た。

「雫。こっち。」
金折に抱きついたままの雫をつれて、二人から離れた。


「ようちゃん?」
「こうゆう時は二人っきりにさせたらなあかんやろ?」
そう言ってやると、顔を赤くして『そうかっ/////』って。

俺達はかなり二人から離れて見守る。

「なんか、見てるこっちが照れちゃうね/////」
「そうやな。」

そんな俺達に気付いて本山が【ホームまで送ってくる】と
ジェスチャーをしたので、そのまま別れた。



「………うまくいくといいね……。」
駅の階段を下りながら、雫が寂しそうに言うから
強く手を握ってやる。

「あの二人なら、ちょっとの距離なんて平気やろ?」
俺の顔を見て、にこっと笑った雫が腕に抱きついてくる。

俺もあの二人がうまくいくよう……願った。


続く→
作品名:壇上のNovelist 2ndシーズン 作家名:雄麒