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壇上のNovelist

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第2話 日常(雫)

「う〜。」
カーテンの隙間から入る日差しに起こされ、重い目蓋を無理やり開ける。

(あぁ。今日劇場の方に行くんだった…。)
布団の上でボーットしながら、そんな事を思う。

戸谷 雫(こたに しずく)
高校卒業と同時に、東京へ上京。
今は小さい劇団の下っ端見習い。

劇団での仕事があまり無いため…
普段はバイトをしながら、練習の日々…


「おはよぉございまぁす。」
人もまばらなホールの扉を開ける。

「おはよう。戸谷さん。」
「あ。おはようございます。」
声をかけてくれた先輩にお辞儀する。

「寝不足?ちょっと顔色悪いわよ?」
「だ…大丈夫です。ちょっと夜更かししちゃって…。」
心配かけないように笑顔で答える。
「そう…。無理はしないでね。」

先輩を見送って、自分も荷物を置きに行く。


(顔に出てるかなぁ?昨日もバイト遅かったからかな?)
そう思うと昨日のバイトの事がよみがえってくる。

  ムカ ムカ ##
確かにお酒を出す所なので…
酔ったお客さんに絡まれるのは、よくある事で…

そこまではいつもの事なのに…。
その後が…!!!

もうっ!何なの!?あの人?!
人を子ども扱いして!!
そりゃぁ…身長も152cmしかないし…
顔も童顔…?だと思う…

自分でも分かってるんだから、あんなにきっぱり言わなくても!!

ムカムカし出したら止まらなくなって…
準備を整えて、勢いよくホールのドアを開けた。

続く→
作品名:壇上のNovelist 作家名:雄麒