小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

Happy Suggestion

INDEX|7ページ/22ページ|

次のページ前のページ
 


第5話 脅迫
(あれ……?あれ?)

ヒロキから逃げるように別れて、
あのまま脇目も振らず、家に帰って来た。

鞄を開けると、定期入れが入っていない事に気付いた。



「何処で…落としたんだろう?」
少し考えて、嫌な予感が走る。

(まさか………?)





PIPIPIPIPIPIPIPI~♪
鞄の中の携帯の音。


ディスプレイには名前を告げぬ、見知らぬ番号。

(出来れば…二度と会いたく無い……)


そう思っても………
一度狂った歯車は……そう簡単には元には戻らない………


「もしもし………。」
恐る恐る電話に出る。

『もしもし。分かるだろ?俺。さっきはどぉも。
今時定期入れに、ケーバンとメアドのメモ入ってる奴いねぇだろ(笑)
ま、おかげでこっちはラッキーだけどね…。』
電話の向こうで笑い声が聞こえる。


目頭がまた熱くなって来て、言葉が出ない。


『明日さぁ~、店休みなんだよね~。水曜日。
家まで取りに来てくんない?』
それが当たり前だろ?と言わんばかりの声。


「……ゆ…裕くんに渡しといて下さい……。」
必死で冷静を保ちながら告げる。


『あぁ、そう。分かった。』
予想に反した答えに戸惑いながらも、胸を撫で下ろす。


『でもな~、何で俺が持ってるか、聞かれるんだろうなぁ~。
  あ~。申し訳ないけど、俺…口軽いからな~。』




「脅迫ですか?」
  
『どう取ってもらっても………。』
その言葉を聞いて、涙が込み上げる。

「………っ。」

『くくくっ。じゃぁ…明日な……。』



一方的に切られた電話………

その後に地図らしきものが、メールで送られてきた……


ガタッッ

思い切り携帯を投げつける。



何で……こんな事に………

裕くん………ごめんなさい………


続く→

作品名:Happy Suggestion 作家名:雄麒