Happy Suggestion
第16話 突然の…
あの夜から、桜花を抱く事が無くなった。
ヒロキ自信も………
桜花の心も………
少しずつ…変わろうとしていた…………
仕事を終えて、玄関の扉を開く。
暗闇の中で、手探りで電気を点ける。
「おわっ!?ビックリした。」
眠っていると思っていた桜花が、ベッドの上で一点をボンヤリ見つめていた。
「どうした?」
ベッドにゆっくり近づいて、桜花に訊ねる。
「………今まで………ごめんなさい………。」
桜花の口から、今にも消え入りそうな声で発せられた謝罪の言葉。
「もう……大丈夫……なんで………帰ります……。」
こうゆう日が来ることは、わかっていたつもりなのに………
ヒドく胸が痛い………
「ヒロキさんの気持ちが痛いほどわかります。
だから………こんな中途半端な気持ちのまま
ここにはいられない………。」
「身代わりでもいいって言っても?」
最後の望みをかけて、問いかける。
「……………っ。それでも………辛いの……。
それだから…………ツライの………。ご………めん………なさいっ。」
桜花の足音を遠くに聞きながら、
ヒロキは少し広くなった部屋に座り込んだ。
(結局………最後まで……泣き顔だったな………)
続く→
作品名:Happy Suggestion 作家名:雄麒