Happy Suggestion
第13話 Hiroki’s PAST
幼い頃から、物や人に執着が無かった。
勉強も運動も、人並みに出来たし……
強く……何かがしたい………とか
何かが欲しい………とか
そんな事どうでもよくて………
ただ………
何をする訳でも無く………
ただ………
何となく生きてた………
生まれ持ったこの顔のお蔭で………
女に困る事は無かった………
何人もの女を泣かせた………
最初は『好き』と言っていたヤツも……
最後は…皆……いなくなる………
『紘稀の気持ちがわかんない。』
『私の事ホントに好きなの?』
地元では『ヒドイ男』のレッテルを貼られ………
それでも……
俺にとっては…どうでもいい事だった………
19の春……
何かを求めて、この街に足を踏み入れた。
俺なりに…新しい土地で……
新しい自分を探したかったのだろうか……?
あれから……6年…………
結局……俺は何も変わっていない………
嘘の笑顔を振りまき………
本当の俺を知った女達は……
やはり離れていく…………
今も………
昔も………
俺は………一人だった…………
続く→
作品名:Happy Suggestion 作家名:雄麒