Happy Suggestion
第12話 YES or NO
あの日から、桜花はヒロキの家で過ごしていた。
『あの部屋には……思い出が多すぎる………。』
そう言って、桜花はまた涙を流す。
裕人は同じ日から、店に顔を出していない。
桜花にそれを告げると
『じゃぁ……今頃は……もう………向こうかな?』
眉をしかめて笑った。
あの夜から、毎日の様に繰り返されている行為は……
まるで儀式の様で………
泣きながら…ヒロキに体を預ける桜花は
いつもうわの空だった………
俺は何をしているんだろう?
桜花の上で、ふとそんな事を思う。
今の行為は………
まるで………独りよがりの自慰の様だ………
壊してしまいたかったものが………
いざ壊れてみると………
残るのは………大きな喪失感………
何度………身体を重ねても………
何度………朝を迎えても………
彼女からあいつの記憶が消えない………
俺の腕の中で…………
君は何を思っている…………?
君は………まだ………
彼を愛していますか……………?
続く→
作品名:Happy Suggestion 作家名:雄麒