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Happy Suggestion

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第10話 裕人の決断
裕人に相談されてから、最初の水曜日……

ヒロキは桜花を呼び出す事をしなかった。

当たり前と言えば当たり前なのだが……

ヒロキ自身も今はそんな気分じゃ無かった。



カラン カラン

「おぉ~。紘稀じゃねぇか、久しぶりだなぁ?」
約半年ぶり位に訪れた店。

この店のマスターは、ヒロキが仕事を始めたばかりの頃の先輩だった。



「沢村さん……少しキツめの貰えますか?」
カウンター席に腰掛けて注文をする。

「休みの日は休肝日じゃなかったのか?」

「今日は……呑みたい気分なんスよ……。」

沢村は少し笑って、何も聞かずに注文通りのものを出してくれる。





散々呑んで、店を出たのは夜中の0時を回った頃。


少しふらつく足元と、熱を帯びた体を覚ます為に
家の手前でタクシーを降りた。


頬に当たる風が気持ちいい……

  今日は久しぶりに……よく眠れそうだな………



マンションのエレベーターを降りて部屋に向かう。

「………………?」
部屋の前で、うずくまっている人影が見えて目を細める。


「何してんの?こんなトコで。っつか今日来いなんて言っ……?!」
座り込んでいた桜花が、顔を上げた瞬間……言葉が詰まる。



  溢れ出ている涙は……
  いつも見ているそれとは違っていて………


「……っ!!」
ヒロキはカッとなって、桜花の腕を掴む。

そのまま力任せに部屋に連れて、ベッドにほおり投げる。


「…………何なんだよ……っ!」


  原因は明らかだ………

  裕人から聞いたんだろう……?

  別れたいとでも言われたか……?

桜花の上に跨って見下ろす。


「何?ヤりたいの?」
挑発的な言葉を浴びせる。

  怒って帰ればいい………



「っ!?」

次の瞬間……
桜花の腕が、ヒロキの首に絡まる。





そのまま無心で抱いて………



「………っ……やぁ……ゆ……ぅ…くん……。」
桜花の言葉で我に返る。



  分かっていた事だ………

  所詮はあいつの女………

  自分の愚かさに呆れる……………



続く→

作品名:Happy Suggestion 作家名:雄麒