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Happy Suggestion

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第9話 別れ道
「ヒロキさん。」
後ろから声を掛けてくるのは裕人だ。

「ん?」
「ちょっと相談に乗ってもらってもいいっスか?」
そう言う顔は、いつもの笑顔から想像も付かない位真剣なものだった。


桜花の件もあり……
裕人の目を直視出来ない……


「俺……この店辞めるかもしんないんス。」
裕人の口から重い言葉が告げられる。

「は?何だよ?急に……?」


心の何処かで……動揺する……
もしかして……全て知られているのか……?



「俺がレーサー目指してる事……言いましたっけ?」
「あ……あぁ。」
「この間…海外のチームから今のチーム辞めて、こっち来ないか?って誘われて……。」

頭を抱えながら話し続けている裕人を見て
ホッとしている自分がいた。

「お前にとってはいい話なんじゃねーの?」
「そ…そうなんスけど……
  この事……桜花にまだ言って無くて…………。」


桜花の名前が出て、内心ビクついた。


「それで……どう切り出せばいいのか………。
  ヒロキさんなら、傷つけずに言える方法知ってるかなって……。」


  今……ここで……俺達の事を伝えたら………?

  コイツはどんな顔をするんだろう……?


  いっそ……バラしてしまえば………

  コイツは悩まず夢へと向かえるのだろうか……?




「……っ!そんなの自分で考えろ。

  待っててもらうのか………別れるのか………は……お前ら次第だろう?」

そう言って、飲んでいた酒を新しいグラスに注いで、裕人に進めた。


「そう………っスよね………。」

注がれた酒の水面に落とした、裕人の視線がユラユラと揺れていた。



続く→

作品名:Happy Suggestion 作家名:雄麒