失格ママの子育て
ちの間で、名物ハナちゃんになった理由は? タックンもうすぐ四年生
(友達と遊びたいから、稽古に行かなくていい?)と稽古場に電話。
(お友達と遊ぶのもいいかもね。ハナちゃんも三歳だから稽古場で遊べ
るからいいよ。)と許可する。ところが、お兄ちゃんが来たら図書館に
行くつもりが、ダメって聞くと(ハナちゃん、図書館いくう~)といっ
てきかない。(もうすぐお姉ちゃん達が、来るから無理だよ。)
(いやぁ、いくう~)(連れて行けるけど、一人で帰って来るんだよ)
(うん、帰れる)五分先の図書館は近いが、信号のある車道をわたる。
(いい、あの明かりが青になったときだよ。他の色のとき渡らないいの
よ。)(うん。)それから一人で行くようになり図書の名物ハナちゃん
になりました。無事帰ってきたときは感動しました。
第22章 はじめてのタックンのお味噌汁は?
タックンが、四年生になって、稽古場に来る日が少なくなり、来ないと
きはお弁当代五百円で夕食は我慢してもらうことにした。ある日帰ると
(母ちゃん、味噌汁を作ったから食べてみて)と言う。(へえ、美味し
く出来てるかな?)なべのふたを取って。ギョギョギョ! ジャガイモ
皮はむいているが丸ごと、にんじんは、皮付きのゴロゴロ切り、汁を飲
むとだしが入れてない。(おいしいでしょう)と誇らしそうに言う。
(う、うん、おいしいけど、おだしを入れるともっと美味しくなるよ)
とだしを入れ火をとうし、味見させる。(あ!ほんとうだ!)(これか
らは、初めに入れるといいよ。)やってようと言うのは、ボーイスカウ
トの経験が役立っているねえ、タックン。 三歳半のハナちゃん、保育
園から帰って稽古場へ行こうとすると(お兄ちゃんと留守番するウ~)
と言って、ついて来ようとしない。困っていると、タックン(僕が見る
から大丈夫だよ。お仕事遅れるから花子は置いていけば。ご飯も食べさ
せるから大丈夫。)最近はタックン自分の夕食を作るの面白いらしい。
肉屋で必要な量だけ買うことも発見して喜んでいた。之なら大丈夫だろ
うと頼んで出かける。仕事を終え、急いで帰る。ドアを開けると、ふざ
けあっている二人が目に入る。(味噌汁とご飯がるよ。花子が残したお
かずも)とタックン。私が何も食べずに、急いで帰ってくると思ったら
しい。味噌汁の蓋を取って驚いた。味噌汁の具が細かく切られている。
(味噌汁の具、小さく切ってあるね。)(うん、花子が小さいから食べ
られないといけないでしょう。)なんでもないように言う。こんなこと
にも、気がつくようになったんだ。我が子ながら感心し、人間として成
長してることに神に感謝。私の子供達としては、最高に素晴らしいよ。
第23章 ハナちゃん、一人で電車に乗った
ハナちゃん小学校に入学の年の三月初めの土曜日。(ハナちゃん一人で
稽古場に行く練習したいから、母ちゃん先に行って待ってて)と言う。
タックンも傍で聞いてて(やらしてみれば)とハナちゃんを応援する。
(本当に一人で来れる?)(うん、やれる)よし、保育園の名札の中に
連絡場所を書いた紙を入れ、二回の乗換駅と乗車ホームを書いて渡し、
判らなくなったら電話すること、よその人にはついていかないこと、と
約束させ、先に仕事場に向かった。稽古場に着くと、タックンより
(花子、お母さんより三十分後に出たから、寄り道しないで行くように
言ったから。)と電話あり。サイを振ったからには結果を待つ以外ない
と思っても、時計の針が気になる。時間の進み具合が遅く感じられる。
タックンの電話から約1時間、トントントンと階段を上がってくる音、
(着いた!)でも、心配した顔は出ない。(母ちゃん、来たよ!)と元気
な声で入ってきた。(本当に、一人で来れたね。)(うん、まっすぐ来
た。西新井の駅で、知らないおじいさんが、どこいくの?って聞いたか
ら、おかあちゃんのところといったら、浅草に行くから、曳船でおろし
てあげるって教えてくれたよ。降りるとき、いい子だって百円くれた)
(そう、よかったね。いいおじいさんで。でも、これからはダメだよ、
怖い人も居るから。)(うん大丈夫、今度からは判ったから一人で出来
るよ。)無事、一人で電車に乗って、乗り換えて到着しました。
タックンとハナちゃんの成長から見ると、母の成長はいかばかりか?
第24章 同じにはねえ!
不思議なものですねえ。子供って、同じ母親でも育ち方それぞれ生まれ
る前から性格ってありますね。タックンとはなちゃんのそれぞれを書き
残そうかな。まず、つわり時の食べ物、よくすっぱいものが欲しくなる
って言いますけど違ってましたね。タックンの場合は焼肉が食べたくて
食べるとつわりが収まるのです。激物はいけないといわれますけどお腹
の子が欲しがっているのだと思いますね。はなちゃんの場合は生野菜と
果物でした。二人ともすっぱいものは欲しくなかった。タックン二歳、
私の仕事の関係で、家にあるステレオや機械物をいたずらして叱られた
ら二度としない。はなちゃんは、叱ってる母親の顔をじっと見ていて、
わざと同じいたずらをして逃げていきます。狭い部屋すぐ捕まってしま
うのに。また、叱って言うことを聞かない時、玄関から出して(もう、
家に帰らなくていい)というと、タックンは泣きながらドアを叩いて
(御免なさい、御免なさい)と許しを乞いますが、はなちゃんはドアの
外が静かになるので、そーと戸を開けると、二階の階段のところにいて
私の姿を見ると降りて行きます。慌てて追いかけ階段の手すりから見て
いると、私を確認して道路近くまで行きます。そして振り返ります。
それから先へ行くことが出来ず背を向け足ふみをしているのです。可笑
しいですね。意地を張って、母親から声を掛けられるのを待っているの
です。自分からごめんねといえないのですね。そこで(どうするの?
悪くないと思うのなら行きなさい。御免なさいするなら、帰ってらしゃ
い。)と言うと、ヒョコヒョコ帰ってくるのです。二度はしなっかった
けど、これだけ違うのです。
第25章 対照的な二人、タックンとはなちゃん
タックンは、とても人懐こく保育園にも五日でなれ、慣れるまでは泣い
たらレコードをかけるとその間は泣きやむし、ご機嫌が悪いと髪に切り
紙のチョウチョをつけるとご機嫌になり、食事も好き嫌いなく良く食べ
たらしい。はなちゃんは、父親に馴れるのに一歳までかかり保育園は五
月一杯かかりました。食事も始めはスプーン二匙で口を硬く結び拒否。
そして、私が迎えに行くまで大声で泣いていました。先生たちが体力を
心配し、五月一杯は、お昼迎えでした。ベランダで靴とかばんと持って
エプロンをつけたまま、泣いていました。五月の後半になって赤ちゃん