失格ママの子育て
列車と船を乗り継いで、母の実家に初めて親を離れて行った。
だから、出来るという気持ちはあった。そして二人で、春休みの
終わる頃帰って来ました。おばあちゃんの(それでも母親?)との
言葉も、お土産の中にはいってましたが、二人にとっては、初めて
の冒険でした。
第18章 タックンとハナちゃんと水遊び
海に対面したのは、タックンは九ヶ月のとき、瀬戸内海の穏やかな
海に慣らさせよと、姉の子二人と、江ノ島へ。水際の砂浜に座らす
と、はいはいしながら、海に向かい、寄せる波とじゃれつく。之な
ら大丈夫と思い、浮きに身体を入れ、姉の子が二人で、子供用のプ
ールに入れる。カメラを向けると、浮きの上から水を見ていたタッ
クンの頭が水の中へ、慌てて抱き上げる子供二人、海水の塩辛いの
と、予期しなかった出来事に、苦虫をつぶしたような顔をして、
小さな手で顔を拭いている。でも、泣かず足をばたばたさせて、
お兄ちゃんたちに浮きを持ってもらい、キャアキャアとはしゃいで
いった。ところが、ハナちゃんのときは違っていた。
ヨチヨチ歩きの花ちゃん、一歳五ヶ月浮きを持って砂浜に出たのは
良いが、波を見たとたん大声で泣き始めタックンの腰にしがみつく。
どうするかと見てると、花子の手を引いて、波際より少しはなれたと
ころに待たせ、波打ち際に駆け寄り、急いで小さな砂山を作り、波が
寄せてくると逃げる。波は砂をさらう。又山を作る、逃げる。その楽
しそうなタックンを見て、好奇心が沸いたらしく、そろそろタックン
の傍へ。するとタックン、花子の手を引いて、寄せる波から逃げる、
返す波で追いかけるを、繰り返すと、花ちゃん、手を離しても、波打
ち際で遊び始めた。タックン、後はお母さんにお任せの合図をして、
泳ぎに行った。またもや、タックンに負けたお母さんでした。
第19章 はなちゃんがおぼれた~!
タックン小学二年生、はなちゃん一歳四ヶ月の夏、私の仕事はお休み。
家族三人で森林公園に出かけ、子供用のプールで水遊び。タックンは、
はじめ足首ぐらいの深さのところで、ハナちゃんと一緒に腹ばいにな
り、遊んでいたが、ハナちゃんが一人遊びを始めたのをきっかけに、
腰の深さのほうに移動して泳ぎ始めた。私は心臓に問題を持っている
ので、水に入らない。そばで見ているだけ。だからハナちゃんのお相
手は、何時もタックンだ。タックンが歩いて深みに行ったのに気づい
たハナちゃん、よちよち歩きでタックンの後を追った。ハナちゃん、
お兄ちゃんの真似して、深みに足を入れた、ブクブクブク、そのまま
水の中に沈む。(タックン~ハナちゃんがおぼれてる~! 早く助け
てエ~)と大声で叫んだ。タックン慌てて戻りハナちゃんを抱えて浅
瀬に上げる。ハナちゃん、顔をしかめ、状況がわからないまま、驚き
の表情で、目をこする。そして何もなかったように、深みから離れた
ところで、腹ばいになり手をついて、足を浮かせて、遊び始めた。
目線を感じて、振り向くと、批判的な目の人と目が合った。(なに?
この目線)その人は私に目を向けてまま、隣の仲間とひそひそ。
そうか!ハナちゃんがおぼれていた場所は、私のほうがタックンより
近かった。深さは私の膝上ぐらい、私が入ってもおぼれる深さではな
い。私には、水に入るという思考が働かなかった。あの人は(なんと
言う母親だろう)と思ったのだ。気づくのが遅い、母の自覚がまだな
のか?母さん失格かな?タックンの言葉じゃないけど(母ちゃん、僕
が居ないとダメな人なの)頼りにしてます。そのうちハナちゃんも
(ハナちゃんが居ないとダメな人なの)って言われるかも二人とも
頼りにしてます。
第20章 ハナちゃん、初めてのお留守番
ハナちゃん五才、タックン小学六年生の休日。世界バレエフェステイバ
ルの、鑑賞のチッケト、Aプロ、Bプロ、各二枚買う。チッケトが高す
ぎて、三枚は無理、バレエは三歳以上一人前の代金なのです。そこで、
一人づつ連れて行くことにして、今日はタックンの日、ハナちゃんには
(お兄ちゃんはボーイスカウトがあり、お母さんはお仕事で、今日は、
子供を連れて行けない場所なので、お留守番ガンッバテくれる?)
(うんわかった。)(お兄ちゃんが、出かけるとき鍵をかけていくから
絶対人が来ても返事したり、ドアをあけないでね。)(だいじょうぶ)
と勇ましい感じ。私が先に出て文化会館前で待ち合わせる。(ハナちゃ
ん、大丈夫そうだった?)(うん、テレビの番組を書いて、良く説明し
たし、花子の出来るファミコンゲームを、教えて貸してやったから、
よろこんでた。)そうか!自分の五歳の時のことを憶えていたんだね。
タックン五歳のとき、フランスのバレエ学校の生徒の公演があり、やは
りチッケトが高くて一枚しか買えなかった。そこで、(お母さんお仕事
で、今日お休みできないから、テレビ見てお留守番お願いね。お休み時
間になったら、必ず電話するから。ここに書いたテレビが終わる頃には
帰ってくるからね。人が来ても返事しないで、ドアも開けないで、留守
でいいのだからね)と私に言われ、お留守番を無事出来たのです。
もちろん、幕間に電話し、帰る時には、電話しましたが。ハナちゃん
のときも、幕間で電話すると(今テレビ見てるから、大丈夫。)ケンも
ほろほろでした。夢中で見てたのでしょう。公演を見終えて家に着くと
ハナちゃんゲームに夢中でした。次のプログラムは、ハナちゃんと私、
タックンがお留守番です。お兄ちゃんと同じく五歳での一人でお留守番
立派にやり遂げました。相変わらず、母より子供の方が上です、我儘な
私に見事に付き合ってくれていました。
第21章 図書館大好き!
タックン、小学一年生、私の稽古場に着く前に図書館に寄って、調べ物
をしたりするので、その間タックンも本を読んで、終わるのを待つ。
その日は、直仕事場へと思ったら、本を借りたいというので、図書館の
人に話し、カードを作ろうとすると、区民しか貸付してないとの事
(葛飾に居ないからダメだって)とタックンとあきらめて、稽古場に向
かうと、途中で(母ちゃん、もう一度頼んでみる。花子と先に行って)
と言うなり駆け出していった。稽古前に、本を三冊抱えて帰ってくる。
(あら、貸してくれたんだ。)(うん、図書館の人にお母さんのお仕事
場に、何時も来るからって言ったら、特別ねっていって、カードを作
ってくれたよ)それを期に、私もカードを作り親子して、図書館の貸し
出しを利用した。稽古の日数も増えて、タックンが小学三年になる頃は
ハナちゃんも二歳半ごろには、お兄ちゃんと一緒に図書館通い、紙芝居
二本と絵本二~三冊借りてきて、稽古の合間に私が読み聞かせる、二人
は自然と図書館になじんでいった。そしてハナちゃんが、図書館の人た