たぬき小僧
むかしむかし、ある村の裏山にいたずら好きな「ポン吉」という子ダヌキがいました。
このポン吉はちょくちょく、村に来ては人を化かして驚かしたり、畑を荒らしたりと、大層ないたずらものでした。
村の人たちは怒り、ポン吉を退治しようということになりました。
そんなことも知らずに、今日もポン吉は村の近くまでやってきます。
「へへへ……、今日はどんないたずらをしてやろうかな?そういえばお腹が空いたなぁ」
ポン吉は赤い舌をペロリと出して、いたずらを考えました。
「そうだ!」
ポン吉が何やら呪文をとなえると、ドロンと煙が上がり、ポン吉は若い娘に化けたのでした。
「へへへへへ……」
そこへ一人の村のおじさんが通りかかりました。娘に化けたポン吉が言います。
「あのー……、道に迷ってしまったのですが、村まで案内してくださいます?」
若い娘に声をかけられて、おじさんは嬉しくなりました。
「そうか、そうか。どれ、わしが村まで連れて行ってあげよう」
「私、お腹が空いて動けないんです」
娘に化けたポン吉がそう言うと、おじさんは包みからおにぎりを出し、「さあ、これを食べて元気をお出し」と言いました。
ポン吉はそれを受け取ると、元のタヌキの姿に戻り、「やーい、やーい、ひっかかったー。まぬけなオヤジめー」とおじさんをからかいました。
おじさんは顔を真っ赤にして怒りました。
「やいやい。お前が村を困らせている、いたずらタヌキだな。ちょうどいい。みんなでお前を退治する相談をしていたんだ。とっ捕まえてタヌキ鍋にしてやるから、覚悟しろ!」
そう言うと、おじさんは持っていた鎌を振り上げて、ポン吉を追いかけてきました。
ポン吉は必死で逃げます。タヌキ鍋になんかされたらたまりません。
ポン吉はおじさんに追いかけられているうちに村までやってきました。
「いたずらタヌキが出たぞー!」
おじさんが大声で叫びます。すると村のあちこちの家から鍬や棒を持った人たちが出てくるではありませんか。
「これはえらいことになったぞ」
さすがにポン吉も顔が真っ青です。
ポン吉は草むらに入ると、また何やら呪文をとなえます。
村の人々はポン吉を見失ってしまいました。
「ちくしょう。どこ行きやがった」
みんな、草の根を分けてポン吉を探しています。
「もうどこか遠くへ逃げちゃったじゃねえか?」
このポン吉はちょくちょく、村に来ては人を化かして驚かしたり、畑を荒らしたりと、大層ないたずらものでした。
村の人たちは怒り、ポン吉を退治しようということになりました。
そんなことも知らずに、今日もポン吉は村の近くまでやってきます。
「へへへ……、今日はどんないたずらをしてやろうかな?そういえばお腹が空いたなぁ」
ポン吉は赤い舌をペロリと出して、いたずらを考えました。
「そうだ!」
ポン吉が何やら呪文をとなえると、ドロンと煙が上がり、ポン吉は若い娘に化けたのでした。
「へへへへへ……」
そこへ一人の村のおじさんが通りかかりました。娘に化けたポン吉が言います。
「あのー……、道に迷ってしまったのですが、村まで案内してくださいます?」
若い娘に声をかけられて、おじさんは嬉しくなりました。
「そうか、そうか。どれ、わしが村まで連れて行ってあげよう」
「私、お腹が空いて動けないんです」
娘に化けたポン吉がそう言うと、おじさんは包みからおにぎりを出し、「さあ、これを食べて元気をお出し」と言いました。
ポン吉はそれを受け取ると、元のタヌキの姿に戻り、「やーい、やーい、ひっかかったー。まぬけなオヤジめー」とおじさんをからかいました。
おじさんは顔を真っ赤にして怒りました。
「やいやい。お前が村を困らせている、いたずらタヌキだな。ちょうどいい。みんなでお前を退治する相談をしていたんだ。とっ捕まえてタヌキ鍋にしてやるから、覚悟しろ!」
そう言うと、おじさんは持っていた鎌を振り上げて、ポン吉を追いかけてきました。
ポン吉は必死で逃げます。タヌキ鍋になんかされたらたまりません。
ポン吉はおじさんに追いかけられているうちに村までやってきました。
「いたずらタヌキが出たぞー!」
おじさんが大声で叫びます。すると村のあちこちの家から鍬や棒を持った人たちが出てくるではありませんか。
「これはえらいことになったぞ」
さすがにポン吉も顔が真っ青です。
ポン吉は草むらに入ると、また何やら呪文をとなえます。
村の人々はポン吉を見失ってしまいました。
「ちくしょう。どこ行きやがった」
みんな、草の根を分けてポン吉を探しています。
「もうどこか遠くへ逃げちゃったじゃねえか?」