金木犀の薫り
男と女
女と買い物に出た。女は
「これいい」
とブランドのバックを見せた。15万円ほどである。僕は現金は5万円くらいか持っていない。カードを持っていたが、少し迷った。初対面の女である。
女はこれから先の事を計算しての行動のようだった。僕の腕を掴んで会計の方に歩きだした。
「待ってくれないか」
僕はあわてて言った。
「自分のお金で買うのよ」
僕はその言葉で、ぼくの早とちりと知った。買ってやる気持ちになった。
「プレゼントするよ」
「無理しないで、何の関係もないし」
「させてもらう」
僕はカードを店員に渡した。
「ゴールドカードすごい」
僕は気にしてはいなかった。ただ200万ほどの買い物が出来る。
買い物が終わり、女は車をモーテルに着けた。
「ここはまずい」
僕は慌てた。僕にはそんな気持ちはない。
「じゃどこのホテルにする」
「とにかく君の家に帰ろう」
女はモーテルの車庫を出た。
「家でお酒でも飲む」
「カラオケはどうかな」
「いいわね」
話が決まり店に入った。
僕はかなりの酒を飲んだ。
女は運転があるからと呑まない。
かなりの時間を過ごし、僕はは女の車に乗ってまもなく眠っていた。
僕の顔を舐める感じがした。目を開けると犬がいた。
ゴンだ。僕は女の家で眠っていた。
ベッドには女が横にいた。
僕は何も覚えていない。自分の着衣を見た。外出した時のままだ。
そっと女の体を見た。パジャマは乱れていない。僕は安心した。