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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回・参 かぼちゃっちゃ】

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「慧喜ー…っ…あ…」
慧喜を探していたらしい緊那羅が和室で寝ている慧喜と悠助を見つけたのはそれからしばらくしてから
「…寝てるんだっちゃ…?」
そぉっと二人に近づいて顔を覗き込んだ緊那羅がふと悠助の頭の下にあったシンデレラの絵本に気がついた
幸せそうに笑うシンデレラと王子様
嬉しそうに祝福する周りのモブ
「…好きな人と一緒…」
ぽつりと呟いた緊那羅が慧喜と悠助を見た
悠助の手を握っている慧喜の顔は微笑んでいるように見えて緊那羅も微笑む
そして何気なく自分の手を見た
「…京助…」
自分のこの手より少しだけ大きくて暖かくて力強くて
何度か繋いだことのある京助の手を思い出すと胸が苦しくなる
「はぁ…」
緊那羅がため息をついた
「なんだか…やっぱり私…」
京助が好き
でもヒマ子さんも京助が好きで
きっと他にも京助が好きだって人はいるんだろう

京助は?

京助は誰が好きなんだろう
自分の気持ちは伝えた

『さんきゅ…』

京助の返事

どう受け取っていいのかわからなくて
でも抱き締めてくれた
朝まで一緒にいてくれた
「私…」
「私?」
突然聞こえた声に緊那羅が声無く驚く
「きょ…;」
「んだよ悠と慧喜爆睡してんか;」
制服姿の京助が寝ている悠助と慧喜を見下ろしたあと緊那羅を見た
「…ただいマンモス」
「お…かえりだっちゃ…」
緊那羅がどもりながら言うと京助が嬉しそうに笑う
それを見た緊那羅も自然と顔がほころんだ
その瞬間京助と緊那羅がそろって身震いする
背後から感じた凄まじい殺気
間違いなく彼女(?)のものだろうと予測がつくからなおさら怖くて振り向けない京助と緊那羅がさりげなくお互いをちらって見ると頷いた
一呼吸おいた京助と緊那羅が揃って勢いよく振り向きそして固まった
たしかにそこに彼女(?)はいた
だがしかしヒマ子の他にもう一人
ヒマ子と同じように体全体から嫉妬という名のオドロオドロしいオーラを放ちつつこちらを見ている
「ま…」
京助と緊那羅が同時に口を開くとお互いを見て指を差し合いそしてその人物を見た