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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回・参 かぼちゃっちゃ】

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「女装大会になるんかい…;」
翌日京助の話を聞いた坂田が言った
「まぁ…そんな話聞いたらそうなってもおかしくねぇけどさぁ…シンデレラばっかで王子様不足じゃん;」
中島も突っ込む
「困った困った; なぁどうするみな…」
京助が南に意見を求める
「幸せってさぁ…相手がいて気づくんだよね」
指に指ぬきをはめて布を仮縫いしながら南が言った
「シンデレラにも白雪姫にも王子様やらネズミやら小人やらがいてさぁ…さらに意地悪な継母やらねーさんがいたから…シンデレラたちは幸せに気づいたんだよね」
「…南?」
くるくるっと糸を縛って南が手を休め顔をあげた
「ほらー俺昔さー…ここ来る前? ってか…悠と京助に話しかけられるまで…友達っていなかったからさー…裁縫ばっかやって根暗でおとなしくて」
ははっと笑った南
「俺にとっては悠は王子様に見えたなぁ」
「…それ…慧喜が聞いたらえらいこっちゃになるぞ…」
黙って南の話を聞いていた京助が口を開いた
「まぁ…ひとりじゃ幸せになれないんだよね…誰かに自分を見つけてもらってそして気づくっつーか…まぁ…相手がいてからこその幸せなんだよ」
「まぁ…な…」
坂田が呟く
「家族がいて周りがいて好かれて嫌われて…そうやって幸せやらになったり…生きてきて出会った人って絶対いらなかったっと人いないと思うんだよね」
「なんか話がでかく、そしてクサくなってるんですが;」
中島が言う
「まぁあれだよ。シンデレラが視点の話だからシンデレラが幸せになったってだけで王子様もネズミやらも視点変えたら幸せだよーって?」
「はーん…そういうことか」
「そういうこと」
京助たちが頷くと南がにーっと笑った
「と…言うことで…再度交渉してみてくだされ」
「了解了解」
京助が敬礼した

シンデレラの絵本につっぷした悠助が寝息をたてている
そんな悠助の頭を慧喜が優しく撫でて微笑む
「俺…悠助のシンデレラになりたいな…」
そして小さく呟いた
開かれているのはシンデレラが王子様と手を繋いでその周りをネズミやら魔法使いやらが祝福している最後のシーン
「…悠助…大好き…」
慧喜が悠助の頬に口付けた
「俺のこと好きだっていってくれた…俺と子供作ってくれるっていってくれた…」
慧喜より小さな悠助の手をそっと握る
「…あったかい…」
幸せそうにでもどこか寂しそうに笑う慧喜
「ねぇ悠助…俺ね…悠助とずっと一緒にいたいんだ…」
悠助の横に寝そべると慧喜がゆっくりまぶたを閉じた