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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回・参 かぼちゃっちゃ】

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ガラガラと戸を開けつつ
「ただいー…」
「おかえり京助ー!!」
「おう」
ただいまといいかけた京助に悠助が後ろから抱きついてきた
「義兄さまずるいっ!!」
その後から慧喜が来て悠助を京助からひっぺがす
「庭で何して…」
「おかえり京助」
さらにその後から竜之助がやってきた
「おかえりだっちゃ京助」
竜之助にただいまと返そうとすると今度は家の中から緊那羅の声
「何? 京助帰ったの?」
「…かえり」
緊那羅に続いて矜羯羅と制多迦の声
「あら京助」
「おかえりなさいませ京様」
「おかえりなさいナリ」
「おかえり」
「おかえりなんだやな」
庭から家中から
「…ただいま」
おかえりの嵐に何となく照れながら京助がただいまと言う
「京助こっちきてー」
「あ?」
悠助が京助の腕を引っ張る
「義兄さまずるいっ!!」
悠助に引っ張られる京助に慧喜が膨れっ面でいいながらついていく
「何だよ悠」
「見て見てー」
見てと言われて京助が顔をあげるとそこには
「かぼちゃ…?」
「じゃーん」
並んだ五つのかぼちゃの一つを悠助が持って京助に向けた
「おージャックオランタンか」
かぼちゃの中身をくりぬいたジャックオランタン
「これ僕が作ったのー」
「これ俺」
慧喜がその隣にあったかぼちゃを持って京助に向ける
「そっちがうぐちゃんでね、その隣が慧光ちゃん」
「ほー…で、これは?」
京助が一番でかいジャックオランタンを指差した
「タカちゃん」
縁側で制多迦がへらっと笑いながら手をあげる
「制多迦様に似てますよね」
慧喜の言葉に全員が制多迦を見てその後に制多迦が作ったというジャックオランタンを見た
「…似てる…」
京助が頷くと周りも頷いた
「…に?;」
「あのかぼちゃが君にそっくりだって」
どうして自分に視線が集まったのかわからない制多迦が矜羯羅を見ると矜羯羅が答えた
「…うかな…」
「しまりのない顔がそっくりだよ」
「…っか」
おそらく貶しの言葉を言った矜羯羅に制多迦が嬉しそうに笑う
「そうだ、かぼちゃっちゃ」
「…義兄さま…緊那羅の真似?」
かぼちゃで何かを思い出した京助が振り返って言ったが口が回らず慧喜に突っ込まれた
「ぶっ」
それが聞こえて矜羯羅が吹き出し笑いをこらしている背中を制多迦がさする
「いやあのだなハロウィンの仮装」
「仮装? って…」
「ハロウィンにありすがくるらしくてまた何か南が企んでるんだが…全員参加だそうだ強制的に」
京助がぐるり面子を見渡して言った