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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回・参 かぼちゃっちゃ】

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「…今の声って…」
京助に押されて倒れていた緊那羅が立ち上がって窓に駆け寄る
「か…迦楼羅ッ!?;」
窓の下を見た緊那羅が声をあげた
「…なんつーお約束なやつか…;」
京助が口の端をあげる
「お邪魔します」
「あらけんちゃん様」
スタスタとやってきた乾闥婆が窓に近づくと緊那羅を押し退けて身を乗り出した
「だから玄関から入りなさいって言ったんですよ」
「だっ…だってだなっ!!;」
どうやらヒマ子の種は迦楼羅の鼻にヒットしたらしく迦楼羅が鼻を押さえながら乾闥婆を見上げた
「鼻血でてますよ」
「っ…;」
ため息をつきながら乾闥婆が手を差し出すとむすっとしたまま迦楼羅がその手をつかむ
「大丈夫だっちゃ?;」
緊那羅も手伝って迦楼羅を引き上げた
「で…なしたん」
緊那羅と乾闥婆に引き上げられた迦楼羅に京助が聞いた
「摩護羅迦が…」
「…うん…さっき会ったっちゃ」
「やはりか;」
ため息をついた迦楼羅の鼻から鼻血がたりっと流れる
「摩護羅迦って…マホだろ?」
「マホ?」
ティッシュの箱で肩を叩きながら京助が言うと乾闥婆と迦楼羅がきょとんとした顔で京助を見た
「マホとは…」
「摩護羅迦のことらしいっちゃ」
緊那羅が答える
「向こうでちょい助けてもらったんだ」
京助が迦楼羅にティッシュ箱を差し出した
「向こう…って」
「乾闥婆につれていってもらった時に」
「僕に…? …あ…」
乾闥婆がなにかを思い出したらしく緊那羅を見る
「緊那羅と烏倶婆迦を迎えに行ったときにですか?確かあの時京助とはぐれて…」
「そうそう。そん時に」
京助も緊那羅を見ながら頷いた
「間違いないのか? そのマホとかいう奴が摩護羅迦だと…」
「間違いないと思うっちゃ。さっき2人してなにか話してたし」
鼻にティッシュをつめながら聞く迦楼羅に緊那羅が答える
「やきもちか緊那羅」
聞こえた声に全員がそちらを見ると摩護羅迦が戸口に立っていた
「大丈夫だ京助も好きだけど一番は緊那羅だぞ」
「まっ…」
摩護羅迦がにっこり笑って言うと迦楼羅の眉がつり上がる
その迦楼羅の横にいた乾闥婆もにっこりと笑顔を摩護羅迦にむけた
途端に凍りついた場の空気
「…懐かしいぜこの感じ;」
京助の顔がひきつる
「久々だっちゃ…;」
緊那羅が少し後退る
「お…落ち着けけ…」
「このへんったいいいいいいッ!!」

ズガガガガガガ!!