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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回・参 かぼちゃっちゃ】

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「な…ん…?;」
見えたのは天井
自分の体に乗っかっている温もりと重さが動いて天井を遮った
「おま…;」
京助の体に馬乗りになった緊那羅が京助の顔を見下ろす
「きゃああああ!?緊那羅様っなっ…何をぉおッ!?」
ヒマ子の悲鳴が上がった
「…緊那羅…?;」
ヒマ子の悲鳴にも動じずに緊那羅が黙って京助を見る
「あのねっ!!」
いきなり緊那羅が口を開いた
「今日ねっ…今日…」
「…うん?;」
勢いよく話し出したかと思ったら緊那羅が黙り込んだ
「…話すことまとまってから話せよ;」
「そうですわっ! !さぁ離れてくださいませっ!!」
ヒマ子がプリプリ怒りながら言う
緊那羅が黙ったまま京助の上からどいた
起き上がった京助がちらっと緊那羅を見た後ため息をついて
「今日の晩飯何」
「え…っとしょうが焼き…と…」
「うっし!! 肉!!」
小さく言った緊那羅に京助が立ち上がった
「あとは?」
「ほうれん草のおひたしと…和え物はわかめと…」
「お前が作ったん?」
「私と慧喜と慧光と…」
話ながら京助が制服を脱ぎ始める
「腹減った」
「きゃああ京様の肉体美ィィ!!」
京助の半裸を見たヒマ子が悶絶して壁をバシバシ叩く
「話したかったことまとまったか?」
シャツとジャージに着替えた京助がまだ座ったままの緊那羅に聞いた
「あ…あの…私…」
緊那羅が立ち上がる
「私もっと京助と…」
「俺と?」
「一緒にいたいっちゃ…」
京助の鼓動が少しだけ早くなる
なんだかよくわからない痒さが全身に広がっていく様な感覚
「…いるじゃん今」
「そうじゃなくもっと話したいし一緒にいたいしっ…だって私京助好きだっちゃし…っ」

ヒュン!!

その瞬間京助と緊那羅の間を通った亜高速未確認非行物体が壁に突き刺さった
壁に突き刺さった物は向日葵の種=ヒマ子の攻撃という方程式が京助と緊那羅の頭に同時に浮かぶ
「緊那羅様…」
ドンピシャだったらしくヒマ子が緊那羅に声をかけた
「…京様…」
次に呼ばれた京助の全身に悪寒が走る
ゴトリという音がやけに大きく聞こえた
壁に突き刺さっていた種がぽとりと畳の上に落ちる
横目で京助が緊那羅を緊那羅が京助を見てそろってゆっくりヒマ子の方を見、そして固まった
まるで仁王、それでなければ明王
そんなオーラを放ちユラリとヒマ子が揺れる
「…私がここにいますのに…なぁぁぁにラブイ空気を作っていらっしゃあぁぁあるのですかぁああ?」
さりげなくコブシをきかせた口調でヒマ子が言った
「ちょ…っ;」
「ひ…ヒマ子さん落ち着くっちゃ;私は…」
少し後退る京助と緊那羅
迫るヒマ子
「問答無用ですわーーッ!!!!」
「あぶっ!!;」
「わっ!!;」
再び攻撃体制を取ったヒマ子を見て京助が緊那羅を押した

ガラッ

スコーン!!

「だぁっ!!;」

ヒマ子が種を放った瞬間に開いた窓と上がった声そして

ズシャ…

何かが落ちた音
しばしの沈黙が続いた