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Aufzeichnung einer Reise01

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ルーナの母親は驚いてペンダントを見つめる。ルーナまでそれをみて泣き出しそうになっていた。
ペンダントを握りしめて、ルーナの母親はミカゲに頭を下げた。
「ごめんなさい…。あんなに危険なシャドウに挑ませるなんて、私は…!」
「いいんです。俺は生きてる。だからもう、いいんです。」
ルーナの母親はいいえ、とかぶりを振る。
「いいえ、私取り返しのつかないことをしてしまったわ。…貴方にもしものことがあったらと思うと……。」
彼女は決意したように言葉をつなげる。
「…でも貴方は私の言った無理難題を見事に果たして見せた……だから私も約束は守らないといけないわね…。」
母親の言葉にルーナがいち早く反応する。
「え、それって………!」
「えぇ。言ってらっしゃい、ルーナ。立派な踊り子になって、絶対帰ってくるのよ。」
ルーナが泣き出す。泣きながら何度もうなずくルーナを母親は優しく抱きしめた。
ミカゲはメイラの言葉を思い出し、母親は皆おんなじことを思うんだなぁと苦笑すると親子の邪魔にならないようにとそっと上階へあがっていった。

    ☆     ☆     ☆ 

ルーナとアークの旅立ちは村人たちにあっという間に知れ渡った。その結果、翌日直ぐにでも旅立つつもりだったミカゲの予定はずるずると引き延ばされ、気がつけばシャドウ退治からはや4日もたってしまっていた。
「なんかなぁ…」
村の中を散策しながらミカゲは一人ぼやく。あたりはすでに暗くなろうとしており、また今日も、出発することはかなわなかった。
「ま、しょうがねぇか。子供危険に送り出すんだもんな。」
ため息をついて身を翻す。そろそろ戻らなければルーナたちが大騒ぎしそうだ。
ルーナの家を目指して歩き出した矢先、ミカゲの目が珍しいものを捉える。
「…旅人、か?」
ミカゲが言える事ではないがこのご時世、旅人というのは珍しい。しかし背中に背負った大きな荷物と、宵闇の中、迷いもなく村を目指すそぶりからして旅人で間違いないだろう。
旅人はミカゲの方は見向きもせずにまっすぐ村の明るい方目指して歩いていく。
「……ま、いいか。」
一瞬の沈黙の後あっさりと考えるのをやめる。視線の先、旅人の姿はすでに小さくなりつつあった。
あとを追うようにミカゲは速足で歩きだす。

「あ、いたいた。ミカゲ、ご飯だよ。」
ミカゲが帰ると、案の定ルーナが家の外で待っていてくれた。隣には黙ったままのアークの姿もある。
「悪い、待たせた。」
家に入ると食欲をそそるいい匂いが出迎えてくれる。
シャドウを退治した日からずっとミカゲはルーナの家に世話になっている。少し申し訳ない気もするのだが村に居る限りミカゲにはどうにもできないので開き直って好意に甘えることにした。
「あらミカゲさん、やっと帰ったの?二人ともお腹すいたってうるさかったのよ。」
ルーナの母親―ナチュアが帰ってきた三人に笑いかけて料理を並べていく。
「すいません、ちょっと足を延ばしすぎたみたいで。」
ナチュアに促され皆が席に着き、手を合わせる。
「そういえばミカゲってよく居なくなってるけど…探しに行っても居ないんだよね。」
アークがスープを飲みながら言う。いつもの冷静な顔で聞いてくるが口の端にスープがついているのが微笑ましい。
「アーク、ついてる。…てか探しに来てくれてたのか?ごめんな、俺目的とかなく散策してっから。」
指摘されたアークが慌ててそこを拭うのをみてミカゲは苦笑しながら謝罪した。
「なんか珍しいものあった?」
「んー、やっぱ水車とか?うちの村には無かったしな。」
ルーナの問いにミカゲは今日の行動を思い起こす。そしてふと旅人のことを思い出した。
「あ、そういや村の中で旅人みたぜ。でかい荷物持って歩いてるやつ。」
三人はそろって怪訝な顔になった。
「旅人?珍しいわね。」
ナチュアの言葉にアークは頷く。確信を持って歩いているようだったからこの村の馴染みなのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
「そうなんですか?じゃあアイツ…なんだったんだ?」
ミカゲが考え込んだ瞬間、ミカゲの疑問を打ち消すように扉が叩かれた。四人を呼ぶ声も聞こえる。
「おーい、商人さんが来たぞー。早く出てこーい。」
「商人さん!?やったぁ!」
ルーナが即座に反応して飛び出していく。…と、扉の前で振り返り三人を…主にアークを、じーっと見つめる。
「…はいはい、行くよ。」
アークがため息をついて立ち上がる。ミカゲをみて苦笑して見せるとルーナを連れて外へと歩いて行った。
「商人??ってこんな所にまで来るんですか?」
ナチュアは頷く。
「えぇ。…と言っても来てくれるのはいつも同じ商人さんなのだけどね。私たちはめったに街なんていけないから、とっても助かってるのよ。」
ふーん、と相槌を打ちながらミカゲは食事を続ける。
    ☆     ☆     ☆ 

ルーナとアークの旅立ちは村人たちにあっという間に知れ渡った。その結果、翌日直ぐにでも旅立つつもりだったミカゲの予定はずるずると引き延ばされ、気がつけばシャドウ退治からはや4日もたってしまっていた。
「なんかなぁ…」
村の中を散策しながらミカゲは一人ぼやく。あたりはすでに暗くなろうとしており、また今日も、出発することはかなわなかった。
「ま、しょうがねぇか。子供危険に送り出すんだもんな。」
ため息をついて身を翻す。そろそろ戻らなければルーナたちが大騒ぎしそうだ。
ルーナの家を目指して歩き出した矢先、ミカゲの目が珍しいものを捉える。
「…旅人、か?」
ミカゲが言える事ではないがこのご時世、旅人というのは珍しい。しかし背中に背負った大きな荷物と、宵闇の中、迷いもなく村を目指すそぶりからして旅人で間違いないだろう。
旅人はミカゲの方は見向きもせずにまっすぐ村の明るい方目指して歩いていく。
「……ま、いいか。」
一瞬の沈黙の後あっさりと考えるのをやめる。視線の先、旅人の姿はすでに小さくなりつつあった。
あとを追うようにミカゲは速足で歩きだす。

「あ、いたいた。ミカゲ、ご飯だよ。」
ミカゲが帰ると、案の定ルーナが家の外で待っていてくれた。隣には黙ったままのアークの姿もある。
「悪い、待たせた。」
家に入ると食欲をそそるいい匂いが出迎えてくれる。
シャドウを退治した日からずっとミカゲはルーナの家に世話になっている。少し申し訳ない気もするのだが村に居る限りミカゲにはどうにもできないので開き直って好意に甘えることにした。
「あらミカゲさん、やっと帰ったの?二人ともお腹すいたってうるさかったのよ。」
ルーナの母親―ナチュアが帰ってきた三人に笑いかけて料理を並べていく。
「すいません、ちょっと足を延ばしすぎたみたいで。」
ナチュアに促され皆が席に着き、手を合わせる。
「そういえばミカゲってよく居なくなってるけど…探しに行っても居ないんだよね。」
アークがスープを飲みながら言う。いつもの冷静な顔で聞いてくるが口の端にスープがついているのが微笑ましい。
「アーク、ついてる。…てか探しに来てくれてたのか?ごめんな、俺目的とかなく散策してっから。」
指摘されたアークが慌ててそこを拭うのをみてミカゲは苦笑しながら謝罪した。
「なんか珍しいものあった?」
作品名:Aufzeichnung einer Reise01 作家名:虎猫。