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てっしゅう
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「夢の中へ」 第十三話

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まどかは37歳で男の子を出産した。そして続けて翌年男子を出産した。
長男となる最初の子は夫の名前から藤一郎と名づけ、二男は天海僧正に名付け親になってもらい光秀から秀を貰って秀次郎と名づけた。

月日は流れて世間は秀吉が逝去して家臣軍が二分して大きな争いが起こりそうな気配になっていた。
次郎左のもとに使いが来て、まどかは天海が家康といる駿府城へ招かれることになった。

「藤次郎様明日は駿府へ出立します。子供達のことよろしくお願いします」

「ああ、任せなさい。しかしお前はすごいなあ、家康様に招かれるとはいまさらに驚かされるよ」

「いえ、天海様の仰せに従うだけでございます。そのように言わないでください」

「そうだったな。妬いているのではないぞ。むしろ俺の自慢に思っているんだからな。ゆっくりとお役に立って来い」

「ありがとうございます。今宵は・・・傍に居りたいです」

「そうか・・・無理をしなくても良いぞ。もうお互いにそれなりの年齢だからな、ハハハ・・・」

「そのようなことを・・・仰らないでください。まどかがはしたなく感じられますから」

「すまん、そんな意味で言ったのではないぞ。身体を気遣ってのことだからな」

「解っております。添い寝してくださるだけで・・・構いません」

「うん、そうだな」

まどかは何故か今宵藤次郎と肌を重ねたいと思ってしまった。理由は解らないが強く自分の中からそういう気持ちが沸いてきたのだった。
藤次郎と歓びを分かち合っている時に外は激しい雨に変わってきた。時折雷が鳴っていた。
ようやく身体の火照りが収まったまどかは外のほうを見ながらつぶやいた。